複雑・ファジー小説
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.1 )
- 日時: 2011/07/23 23:36
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: 6nCB5dVP)
あたしの家のとなりに住んでいる 同い年の足立優介くんは幼なじみ。
あたしが一歳のときに偶然 同じ日に引っ越してきてからずっと 家族ぐるみのおつきあいが続いている。
彼とは 一緒にお風呂に入って、一緒に寝て…………それは むかしの話。
……もちろん 高校生になった今では そんなコトはしないけど……。
高校は あたしは女子校、彼は男子校に進学した。
学校は変わっても、彼とだけは 唯一男の子で仲良しの子だ。
いつもヒマな時、突然 彼は あたしの家に遊びに来る。
逆に あたしが彼の家に遊びに行くこともある。
ただ家が近いから、っていうワケではない。
優介くんと一緒にいると 安心して落ち着けるからなのかもしれない。
きっと彼も同じ風に思っているんだろうなぁ、と あたしは思っていた。
優介くんと いつもなにをして遊んでいるのかって?
……そんなに期待しないでください。 ……期待を裏切るようだけど 別にたいしたコトはしていない。
ただ部屋に二人でこもり、ひたすら 漫画を読んでいるだけ。
ほんの たまに、お互いの学校のこととか 友達のこととか 話すだけ。
————ちなみに二人とも 現在 彼氏・彼女はいない。
ある日、優介くん家の家族と うちの家族が一緒に 夕ご飯を食べることとなった。 ……ちなみにこれも よくあるコト。
いつもより少し豪華なディナーを楽しみ、親チームたちは話に花を咲かせ、お酒を飲みはじめたので あたしと優介くんは コーラとポテトチップスを持って 一緒に二階に上がり、あたしの部屋に入った。
いつものように漫画を読んでいるあたしたち。
あたしは漫画を読みながら チラリと優介くんの顔を見た。
————今日 クラスメートの仲のいい友達が 話していたことを思い出した。
彼女は 先日10カ月付き合っている彼氏に、自分の部屋で二人でいるときに突然 押し倒されてしまったという話。
彼氏の行動に驚いた彼女は精いっぱいの力で抵抗したけれど……男の子の力には かなわなかった。
……結局流れで…………奪われてしまったらしい。
あたしが 優介くんと15年ちかく一緒にいても何もないことに、彼女は信じられない、と言っていた。
(本当に なんにもないのに…………)