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複雑・ファジー小説
- Re: あたし・事件簿 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/22 00:04
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: 6nCB5dVP)
「何?」
優介くんは あたしの視線に気づいて 顔を上げた。
不自然にビビりながら あたしは答えた。
「えっと……。 今日ね、 学校の友達が……男の子の力ってスゴイよ、って言ってたから……その……」
「ふっ。」
彼は軽く笑って、また漫画を読みだした。
「……ホントに そんなに強いのかなぁ。」
あたしは 優介くんの細い腕をつかんで じっと見た。
……どう見ても たいして強くは見えない。
「やめろって。」
あたしの心の声が聞こえたのか 彼は あたしの手をはらいのけ、ため息をつきながら 再び漫画に視線を落とした。
「ねぇ、 あたし結構 強いんだよ。
この前 側溝のふた あけたし。」
「プッ。 なんで側溝のふたを……」
「……10円 おとしたから。」
「あははは…… 根性だな。 アレ結構重いのに。」
あたしは優介くんの近くに寄りそった。
「……ねぇ、 ためしに一回 あたしに襲いかかってみてよ。
……絶対 負けないから。」
優介くんは 目を丸くして固まっている。
「でも……“やめて”って言ったら……やめてね……」
「わかった。」
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