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複雑・ファジー小説
- Re: あたし・事件簿(即興短編ものがたり) ( No.3 )
- 日時: 2011/07/22 22:01
- 名前: ゆかむらさき ◆gZKBI46muE (ID: 6nCB5dVP)
「………。」
「……なんだよ、そのポーズ……。」
「カウンターの 構え。」
「……プッ。」
あたしは両手をグーにして、上体を低くおとし 構えた。
……エラそうなこといってるけれど はっきりいって戦うボクサーの構えだ。
「本当に……いいのか……?」
「かっ! ……かかってこいやぁ!」
「……後悔するぞ。」
優介くんは漫画を机のうえに置いて、手を床において あたしのほうにゆっくりと近づいてきた。
あたしの心臓の音が ハイペースで刻みだす……。
「!!」
……一瞬だった。
一瞬で……あたしの両手首は 優介くんにつかまれ、あたしは仰向けに寝かされた。
(カウンターポーズの構えは 結局 無意味に終わった。)
おそるおそる優介くんの顔を見た。
彼は 薄笑いを浮かべて、あたしの顔を見下ろしている。
あたしは逃げようと足を動かし…………
(えっ!!)……動かせない!!
右足と左足のあいだに 優介くんの足がある。
彼が あたしのひざを すごい力ではさんだ。
(動けない…… 逃げれない……
……どうしよう!!)
優介くんの胸が、あたしの胸にすこし触れた。
そして 彼の顔がだんだんと あたしの顔に……近づいてくる…………。
「“やめて”って 言わないんだったら…………
続けるけど……どうする?」
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