複雑・ファジー小説

Re: —//unknown,00— ( No.7 )
日時: 2011/07/27 18:36
名前: 蒼の絵の具 (ID: T3.YXFX2)

「なぁなぁ、さっきの魔法って修復魔法だよな?」

「魔法とか得意なの?」

「・・・いや、俺は全然・・・」





—02— 学校日和





「転校生の黒陰刹那君・・・ねぇ」

「えぇ、とても大人しい生徒ですよ」

「我等が危険視しているところはそこではない。彼が《死神》の後継者であるという事だ———」


数人の職員が、椅子に座りながら転校生の話をしていた。

転校生———黒陰刹那のことだ。


「まだ《継承》されていないとはいえ、その身に眠る《力》は計り知れない」

「それなら大丈夫でしょう。彼は無意識的に自分の力を押さえ込んでいるようですから」


故に———死神でも、人間でもない中途半端な存在。

だからこそ、恐れられる。

正体不明の存在だから———。


「・・・まぁ、いいでしょう。様子見です」

「・・・」









「・・・」

「・・・なぁ。スッゲェ邪魔なんだけど」


目の前に立っている琥珀に、俺は視界を邪魔されている。

何故か大量の本を目の前に置かれ、更に俺の机の上に堂々と彼が座っている。

・・・凄く、邪魔だ。


「・・・なぁ」

「・・・お前、何でそんなものをしょっている?」

「・・・は」

「オイ魔月!転校生が嫌がってんじゃねぇか!」


いきなり元気な声が飛んで来たと思ったら、《勇者》の末裔、剣人が立っていた。


「・・・」

「無視するな!」

「まぁぁた始まった・・・」

「また?」

「いつもあぁなんだよ。皆困ってるんだけどねぇ」

「・・・キミは?」

「あぁ、僕は《忍者》のクレル。宜しくね」

「・・・ん」


ギャーギャー騒ぐ二人をよそに、俺はカバンの中身をチェックした。

カバンの中身には弁当と筆記用具と漫画とヘッドフォンとノートと教科書と・・・。

その中のヘッドフォンを取り出して装着した。


「転校生ー。コッチ来てばば抜きしようぜ!」

「・・・ばば抜きって何?」

「は!?おまっ・・・ばば抜きしらねぇの!?」

「知らない」

「あー・・・ばば抜きってのはなー・・・」


ワイワイと楽しんでいると、唐突に教室の扉が開かれた。


「テメェラァァァァァッ!遊んでる暇なんてねぇぞ!今から魔力テストだぁぁぁぁぁッ!」

「ハァァァァァァァぁッ!!?」

「抜き打ちテスト!?」


えぇぇぇぇ、という声が教室中に響く。

魔力テスト?


「あぁ、魔力テストって言うのは生徒同士で戦闘をして魔力の大きさとか、破壊力とか、戦闘力とか測るテストの事です」
メガネをかけた生徒が本を片手にニッと笑った。

「・・・キミ、は?」

「あぁ、私はこのクラスの学級会長の瑠璃といいます」

「・・・召還術士《サモナー》か・・・」

「えぇ、良くご存知で・・・。じゃあ滅亡しかけている種族だという事も?」

「・・・まぁ」


(・・・というか、俺の一賊と対立した種族でもあるしな・・・)




そんな事を言えずに居ると、


「オイ転校生!瑠璃!早くグラウンド行こうぜー」

「・・・行こう」

「えぇ」