複雑・ファジー小説
- Re: 悪夢に喰われた現実 第二章 ( No.26 )
- 日時: 2011/08/14 14:16
- 名前: イカ飯 ◆7dc6rjLZUg (ID: 0M.9FvYj)
- 参照: 城野中を中心にかいてます。
そして、狂乱の夜が過ぎて陽也は朝を迎えた。
陽也は朝っぱらから、あまりの腹の痛みに呻き声を上げていた。
アリスはそれを特に無神経な感じでみつめていた。
昨日、雑に包帯を巻いただけで何もしていなかった陽也は、
敢え無く陽也は電話で救急車を呼び救急病院に搬送されることとなる。
まあ、父が昔ギャンブルで溜めた恐ろしいお金が生活資金用の通帳に入っているので、
予算的には多分問題ないのだが。
————————————————その一方学校ではまた戦争が起きていた。
対戦カードは一組対四組だった。というより戦争をする奴等が、
この二クラスしかいない訳で毎回学校内ではこの対戦カードしかないのだった。
一組は昨日も不良等とやった時のように大将は三廻部隆太郎だった。
まあ昨日の戦いでは大将などは見当もつかないだろうが。
「野郎共っ!今日こそはあいつ等と決着つけてやろうぜ!」
「おおっ!」
「まあ、四組の大将は若宮だが勝つのは俺等だ!」
「おおおっ!」
「失うものなんてこれっぽちもありゃしねえ!!」
「おおおおっ!!」
「玉砕覚悟っ!!全てを捨てて四組を潰せぇぇぇええええ!!!」
「おおぉぉぉおおおお!!!」
なんて熱血漫画みたいな変なやり取りを戦争組はしていた。
今回は怒田も参戦しているらしい。まあ、後の半分ぐらいのクラスは、生ぬるいホットティーぐらい冷めていた。
稲荷木は自習をしながらチラッと戦争組の方を向いて溜め息混じりに呟いた。
「何で私のクラスはこんな輩が多いのかしらね……」
「あ、京菜ーっ!」
と、稲荷木の名前を叫んで特急列車のように突っ込んできた輩が一名。
それは日立秋乃であった。彼女等も幼馴染であり仲が良いのだが、
女子に対してのパワフルさには思いっきり手を焼いていた。
突っ込まれた稲荷木は勢いよく、イスからつい離れて吹っ飛んだ。ように見えたが体勢をすぐに取り戻したため別に支障はない。
「秋乃………、いきなり突っ込んでくるのは無しじゃない?」
「あっ、ごめんごめん。いやあいつ知らない、陽也」
「え、別に今日は見てないけど。ていうかまだ学校に来てないんじゃないの」
「まだ来てないの!?……まあいいかっ」
とまあそんな風に日常が一組では流れていた。
もう一方の四組では。
一年四組、それは結構偏っているクラスで何故か学習意欲のない奴等がいっぱいいた。
まあ女子に関しては滅法別だが男子は問題児や異端児の宝庫で、変態も多数いた。
だが腕利きの統率者がいるため協調性は群を抜いていた。
統率者の名は若宮紀正。生活態度は悪いが、
その知能は結構なもので学年次席の肩書きもある。
隆太郎とは小学校時代からの仲で前代未聞の問題児として名を馳せていた。
そして現在はクラスで軍を構成して戦争をし大将の首を取ったら勝ちというゲームをしていた。負けたほうは何か奢るという罰ゲームつきで。そして今日も。
「おいお前等、よく聞け。今日も一組との戦争だ、俺等はまだあいつ等と決着がついていない。そんな中途半端でいいのか!!」
「駄目に決まってんだろ!!!」
「ようし、よく言った。報酬は相手の奢りだ、あいつ等の財布を空にしてやれ!」
「おおおおおっ!」
「行くぞっ、勝利は俺等の手の内にあるっ!!」
「おおおおおおおおおおおおっ!!!」
と、知将若宮の口車によって四組の戦争組は動いた。
そして今、馬鹿みたいなプライドを賭けた戦争が始まる。