複雑・ファジー小説

Re: 悪夢に喰われた現実 参照100突破です。 ( No.30 )
日時: 2011/08/16 20:12
名前: イカ飯 ◆7dc6rjLZUg (ID: 0M.9FvYj)
参照: http://www.youtube.com/watch?v




「若宮〜、来たぞ」
「………大将が直接来るのかよっ?!まあいい、俺もお前のところに乗り込もうと思っていたところだしな。俺の秘策は直接お前を潰すことだ」
「早速勝負と行こうじゃねえか、手加減は無しだ。行くぞっ………………お前等っ!!」


若宮や戦争組はともかく周りにいるエキストラまで思わずずっこける。
そこにいつもは阿呆の怒田が突っ込み役不在のため突っ込みを入れる。

「三廻部がやるんじゃないんかいっ」

隆太郎が作った気まずい空気は四組中に脱力をさせるほどの力だった。
若宮も呆れてものも言えず、頭をぽりぽりと掻いていた。
隆太郎自身は具体的に今自分の周りがどんな状況かしっかり理解できていなかった。
そして周りのエキストラは隆太郎を見てこいつ馬鹿だろと思わざる終えなかった。





「何だ………、騒がしいと思ったら。お前等だったのか、三廻部、若宮……。こりゃきっちり叱ってやらんとなぁ……?」
「くそうっ、大将軍かっ!!……一時休戦だ、若宮!」
「わかった。りゅうは将軍を引きつけろ!その内に俺が援軍を呼ぶっ!」
「オーケーっ!若宮、早くしろよっ!!」

大将軍と呼ばれたのは生活指導の嬬恋哲治つまごいてつはる
人一倍教育熱心だが、そのスパルタのような鬼畜教育法をする事から鬼の大将軍と呼ばれている。

若宮は逃亡の際に常人なら気づくような嘘を言ったが不覚にも、隆太郎はその条件を鵜呑みにして若宮を送り出した。
しばらくして隆太郎は気づいた、若宮が逃亡したことに。まあ援軍なんてよく考えればこの学校にはいない事にも気づいた。
この時、隆太郎はぶつけようの無い怒りがわいていた。
憎しみや恨みを込めて隆太郎は大声を越えた大きさの声でやけくそに叫んだ。



「わっかみやのくっそやろおぉぉおぉおおおお!」
「三廻部、少しは精進しろ。この馬鹿!!」

大将軍の鉄拳は見事隆太郎の脳天を突いた。
戦争はまた次へと持ち越されてしまった。








そしてホームルームの時間が来た。皆先生が来た途端反射的に席に着く。
入ってきた先生は青を基調とした有名なスポーツメーカーのジャージを着ていて黒い髪はボサボサである。
この先生は南総秀なんそうさかえ。女のような名前に聞こえるだろうが男である。
かといって皆は別にそれをおかしいとは思っておらず皆は秀先生と呼んでいる。
いつもダルそうに見えるが実は人がよく子供のことをよく理解している。担当教科は社会科である。


「お前等ー、席着いてっか。そこで撃沈している馬鹿は後にして、ホームルーム始めっぞ」

撃沈している馬鹿とは隆太郎のことで鉄拳制裁した後にご丁寧に大将軍が連れてきたらしい。
唐突なタイミングで秋乃が席を立ってこんな質問した。

「せんせー。都部君どうしたんですかー?」
「やっぱり妻は夫のこと気にするのかー?ひゅーひゅー」
「ちっ、ちがっ、違うに決まってるじゃんっ!ていうかいつからあたしはアイツと夫婦になったの!?」

一応秋乃と陽也は夫婦漫才なやり取りを自然にしており、
学年からはある意味カップルと認知されている。が、陽也は別に顔色かえる事無く生活しており
別に秋乃を意識しているわけではないため、まだカップルとはかけ離れていた。

「あー、何か連絡来たな。腹が抉られたとか何とか」
「それサラッといっちゃ駄目でしょ!?」

一組全体が同調して渾身の突込みが秀先生に浴びせられた。

「まあ見舞い行きたい奴は自由に行けよ。場所は城野総合病院だ。後は連絡無し。以上、終わり」

ホームルームの時間は10分も与えられているのに一分もしない内に話を終わらせ秀先生は教室から出て行った。