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複雑・ファジー小説
- Re: 空を見上げて見えた物は・・・ ( No.4 )
- 日時: 2011/08/11 10:45
- 名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
第3話〜地図の見方〜
学校での腱の言葉が引っかかった由美達は、腱の家に向かうことにした。
恵美がつぶやく。
「よく考えれば、腱って知らない面のほうが多いよね」
「えぇ。そうね」
由美が地図を見ながら答える。
一時間ほどたち……
「あ〜……!此処さっきも通ったじゃん!」
恵美がうんざりしたように叫ぶ。
由美は地図を見ながら首をひねっている。
「可笑しいわね……この道であってるはずなのに……」
そう。由美は方向オンチなのだ。
「それ、さっきも聞いた〜」
恵美が言う。
その言い方は小さい子が欲しいものを買ってもらえないときの親の言い訳に対する言葉とかなり似ていた。
恐らくそのレベルなのだろう……
「だから……この道を左に……」
「地図の見方、あってるの?」
「多分」
「ちょっと貸して」
恵美が由美から地図を奪う。
それで、一言。
「見方逆じゃん」
「え?」
「え?じゃないよ。なに、南が北に向いてるわけ?」
由美は赤面し、うつむいた。
どうやら、地図を使ったことが無かったらしい。
恵美が地図を持ち、ようやく、腱の家に着いた。
「やぁ。遅かったね」
笑顔で言う腱に恵美は苦笑しながら言った。
「遅かったのはしょうがないよ。だって……ムグ!」
が、いきなり伸びてきた由美の手によって、言葉をさえぎられた。
「ムグ……ウグ……!(ちょっとなにすんの!)」
「あんたね〜。絶対、腱にわたしのせいで迷ったって言う気でしょ?」
由美が手を離しながら言う。
勿論小声で。
「別に嘘をつく必要ないじゃん」
「少しは、こっちのことも考えなさいよ」
「え?まさか〜」
笑いながら恵美が由美を見る。
「言わないでよ!?」
赤面して、由美が、言う。
「はいはい」
「ホントに言わないでよ?」
「わかったわかった」
第3話オワリ
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