複雑・ファジー小説

Re: 空を見上げて見えた物は・・・ ( No.8 )
日時: 2011/08/15 08:58
名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)

第4話〜知ってはいけない過去〜

「2人とも〜そこでひそひそ話さずに、こっちおいでよ〜」

腱が由美たちを呼ぶ。

「あ、ゴメンゴメン」

恵美が謝る。

「あ、気にして無いよ。とにかく……中で詳しいことを話すね」

「うん」

「えぇ」

腱は家の扉を開け、自分の部屋へと案内する。

「ここだよ」

腱が扉を開ける。

「広〜……」

「綺麗ね〜」

由美たちは感嘆の声を上げる。

「そんなことはないだろうけど……」

腱が不思議そうにつぶやく。

「で、資料は全部部屋にあるから、説明するよ」

「資料?」

「何の?」

由美たちは不思議そうにつぶやく。
どうやら此処に来た理由を忘れているようだ。

「事件のさ……」

さらりと腱が言う。

「へ〜事件のか〜……」

「……何の?」

「いやなんのって……秋野さんの両親の事件だよ?」

「……」

由美たちは忘れていたようだ。

「まさか……忘れてた……とか?」

いきなり図星を言われ、赤面する2人。

「忘れてたんだ……」

腱はちょっとあきれたようにつぶやいたが、すぐいつもの口調に戻った。

「とりあえず……教えるよ?」

腱は分厚い本を取り出し、あるページを指差した。

「此処のページに書かれていることだよ」

由美たちが読んだのは……

「え〜っと……そんなことが……」

「嘘……近所で?」

そこに書かれていたのは、当時の美香の家に、強盗が押し入り、両親は……殺されてしまった。その当時美香は祖父母の家に行っており、被害は無かった……

「えっちょっと待って?何で腱はそのこと知ってるの?」

「今は……教えられない」 

そういった腱の顔はなんだか悲しそうだった。

第4話終わり