複雑・ファジー小説
- Re: 【REVERSE WORLD】… 第七章開始 ( No.53 )
- 日時: 2012/07/20 21:48
- 名前: 将軍 (ID: uOi54irs)
第2話
「やっとドイツに着いた」
野々村達第109特別遊撃小隊は日本軍上層部からの命令でミュンヘン奪還作戦に参加することになり、アメリカを経由しドイツ軍最前線基地の一つであるドイツ軍アウクスブルム基地に来ていた
「ようこそドイツ軍アウクスブルム基地へ、歓迎いたします。野々村少尉」
ドイツ軍の軍服に身を包んだ物腰の柔らかそうな女性軍人が敬礼で迎えていた
「私は第109特別遊撃小隊のエスコートを勤めさせていただきます、ドイツ軍第3機甲師団 歩兵部隊 副隊長のアデーレ・グロス曹長です」
「自分はWDA直属 第109特別遊撃小隊 隊長 野々村 ジン少尉です」
こちらも敬礼で返すとアデーレは野々村を頭の上からつま先まで見ると驚いたように
「あなたが長崎防衛戦と士官学校強襲戦を勝利に導いた、あの野々村少尉ですか? 噂とぜんぜん違いますけど」
「……失礼ですが、その噂とは?」
「噂では野々村少尉とは冷酷で残虐、敵を見たら、たとえ降伏しても射殺するような男だと」
「……何処から流れた噂ですか?」
「私もよく存じてません」
どんな噂流れてんだよ、誰が冷酷で残虐だ、小隊員全員笑いこらえてるしさ、後ろを見ると肩をプルプル震わせながら笑いに耐えていた小隊員たちがいた
「…ともかく、そんな噂はでっち上げでそんな男じゃありません」
脱力して言い返すと
「そうですか、いやー私、此処の部隊のエスコートやるときにさっきの噂を聞いて粗相でもしたら殺されるんじゃないかとビクビクしてました」
急に態度が軟化しフレンドリーになった
「司令にお会いしたいのですが」
「あ、はい、では野々村少尉は司令のところへ、他の皆様は小隊宿舎のほうにご案内します」
アデーレの部下であろう二人が出てきて小隊員を連れていった
「ではご案内します」
「此処が司令室です。司令 アデーレ曹長 野々村少尉をお連れ致しました」
司令室の扉をノックし、中に入るとそこには体格のよい初老の男性が椅子に座っていた
「ご苦労、アデーレ君、君は下がってくれ」
「はっ」
アデーレが部屋から退室したのを見計らい
「ようこそアウクスブルム基地へ、野々村少尉 私はドイツ軍アウクスブルム基地 司令 ハインツ・ホフマン少将だ、君の武勲は此処まで届いているよ、此処でも戦果を挙げてくれることを期待するよ」
「はっ、期待に沿えるよう尽力致します」
「うむ、ミュンヘン奪還作戦は明後日に行う予定だ、作戦は明日の朝、軍議にて決定する、君にはその軍議に出席してもらいたい」
「自分がですか!」
軍議に参加するのは大体は司令の副官や将の位を持つ者や佐官の中でも上級と呼ばれる人が参加するのが一般的で尉官の中でも一番下の自分が呼ばれるとは思っていなかった
「君は既にコンバット・プルーブン(戦闘能力証明済)だからさ」
「はぁ、明日の軍議は何時から」
「朝の9時から始める、遅刻はくれぐれもしないでくれたまえ」
「はっ、ではこれで失礼致します」
敬礼をし、部屋を退室した
「明後日だってさ、奪還作戦開始」
アデーレに小隊宿舎へ案内された、小隊宿舎と言っても食堂のみたいな大部屋だった、アデーレ曰く 上の階級の人達が良い部屋は全部取っていっちゃったから だそうだ、その小隊宿舎で小隊員と駄弁っていた
「作戦はどのような?」
「明日の軍議で決めるってさ、まぁ僕等はおまけみたいな小隊だから重要なところには配置されないでしょ」
このときは誰も明日の軍議で話し合われる事は誰も予想は出来ていなかった
