複雑・ファジー小説

Re: 【REVERSE WORLD】… 第九章開始 ( No.63 )
日時: 2012/09/29 23:53
名前: 将軍 (ID: RAfxUc7S)

第1話
「ライム、ガルヒンク、キルヒハイム。全て陥落か、まぁこちらには【イブ】があるからな」
「そうだな、だが油断は出来ん」
「なに、【イブ】があればWDAなんぞ恐るるにたらず」
ミュンヘン本部でそれぞれの基地司令が話し合っていた

「さて、明日の21:00から作戦開始だってさ」
ライム基地攻略の功績が認められ、ライム基地の小隊宿舎を与えられていた
「…」
隊員たちは水を吸ったスポンジの様に倒れており、誰も返事をしなかった
「あれ? 瀧上、阿木、柔欄寺、美鈴は」
「…瀧上隊長は筋トレ、阿木隊長はトイレ、柔欄寺隊長と美鈴曹長は料理を作っています」
すると宿舎の扉が開かれ軍服の上にエプロンを着た柔欄寺と美鈴が入って来た
「カレーを作ったので食べてくださいね」
倒れていた隊員がすぐさま起きて我先にと外に出ていった
「ったく、現金な奴等だな」
苦笑しながら外に出た
「いい匂いだな」
カレーの入った鍋を中央に囲み隊員達が食べていた
「ん?」
少し離れたところで柔欄寺が美鈴に耳打ちをして美鈴が顔を真っ赤にしていた
……何やってんだろ?
近づこうとしたら美鈴が気づいて足早に去っていった
俺なんか悪い事したかな?
「隊長。さぁ、早く追いかけてあげてください」
柔欄寺が背中を押してくる
「何か知らんが分かった」
美鈴の後を追った。後ろでは柔欄寺が黒い笑みを浮かべていたが野々村は気づいていなかった

「美鈴、こんな所に居たのか、危ないぞ」
基地の目の前にある林の入り口で膝を抱えて座っていた
「ジン…追ってきたの?」
「あぁ、まぁな」
美鈴の隣に座った
「……」
「……」
…何でこんな重い空気が流れてんだよ!
「ねぇ、ジン。前に言ってたよね守りたいものは私だって」
「あぁ」
確か前にそんな恥ずかしい事を言った気がする
「それって私が好きって事?」
ストレートの直球で聞いてきた?!
頭を抱えたくなる衝動に駆られたが理性で何とか押さえやや上ずった声で
「そ、そうだよ。俺はお前が昔から好きだよ」
美鈴は最初驚いた顔をしていたがそれからだんだん顔が歪んでいき泣き始めた
「ど、どうしたんだよ?!」
「私も、大好き、だよ」
泣きながらで途切れ途切れだが確かにそれは愛の告白だった
不意に唇にやわらかいものが押し当てられ、それが美鈴の唇と気づいたときにはすでに顔を離していた
放心から状態から覚めたときには美鈴を抱きしめ
「俺が絶対お前を守ってやる、だからお前は安心しろ」
「うん!」
今度を野々村の方からキスをしていた
二人を祝福しているように月明かりが二人を照らしていた