複雑・ファジー小説

Re: 【REVERSE WORLD】… 第九章開始 ( No.67 )
日時: 2012/12/19 23:00
名前: 将軍 (ID: xRtiMmQO)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/730jpg.html

「敵防衛網の一部瓦解を確認。今なら突入可能です」
「よし、109小隊と第3師団を投入!」

「隊長。突入せよーと伝令ー」
通信機から突入せよと命令が下った
「了解。総員乗り込め」
WDA軍から支給された装甲車に乗り込み、全員乗り込んだ事を確認したら急発進させた。
「防衛網まで残り百」
外から装甲車を狙って敵が銃を撃ってきている
——敵が多いな。
野々村は装甲車から身を乗り出しながら敵に狙いをつけ銃を撃っていた
「少尉! 早く入ってください。防衛網に突入しますよ」
野々村は装甲車の中に入った瞬間、敵の土嚢に乗り上げたようで下から衝撃がきた
「防衛網突破。このまま弾道砲に向かいます」

戦闘の行方を【イブ】の中に置かれた司令部から見ていた一人の隊員が一部隊を見て
「将軍。一部の瓦解した防衛網から一個師団並の戦力が突入してきました」
「第324機甲中隊と第201歩兵中隊で迎撃させろ」
「し、しかしそれは拠点防衛戦力では?」
第324機甲中隊と第201歩兵中隊は【イブ】の周辺を固めている最終防衛戦力でこの戦力を動かしたら、もし奇襲を受けたらこの拠点は丸裸も同然だ
「構わん。他の部隊は防衛網で迎撃できているのだ、この一個師団さえ壊滅させれば我等の勝利だ」
ザウルの顔には既に勝利の姿が映っているのか少し頬が緩んでいた
——本当にいいのか?
さっきの隊員が疑問に思ったが口に出したら自分が罰せられるかもしれないので口には出さず、ただ命令を部隊に下していた

「敵迎撃部隊が姿を見せました」
瀧上が双眼鏡で敵を見ていた
「佐竹一等兵 我々は迂回して巨大弾道砲に向え。敵の迎撃は第3師団に任せろ」
運転している隊員に命令を下していた(軍属の場合は18歳以下でも適正があれば軍で免許を取らせてくれるようになっている為)
「いいのですか?」
佐竹は運転しながらも少し本当に良いのかというような口調だった
「第3師団は元からそういう役回りだ。第3師団を助けるには早く弾道砲を破壊する」
野々村が会議で言われたことを佐竹に説明すると佐竹は納得したように頷き、そのままアクセルを踏んで弾道砲に向かって走った

「第324機甲中隊と第201歩兵中隊が敵と交戦中。このままだと押し切れます」
「防衛網のほうはどうなっている?」
「防衛網はこちらも被害は甚大ですが敵もかなり被害が出ているのでこのまま行けば勝てます」
「そうか」
ザウルはいつもと変わらぬ声だったが顔を見れば少し笑っていた。この時もし109小隊に気づいていたらこの先の歴史は変わっていただろう

「隊長 巨大弾道砲に到着しましたよ」
「急ぐぞ」
109小隊の面々は装甲車から勢いよく飛び出し、その手には【MDB】が握られていた
「一個設置完了」
「2個目はあと少しです
「3個目はあと1分下さい」
109小隊が必死に【MDB】を設置していた
——長い
いつもなら短く感じる時間が長く感じられる
「2個目設置完了」
「3個目も完了しました」
全てが設置完了したことを確認し
「脱出する。急げ!」
そのまま脱出した

「まだか……」
防衛網を指揮していたホフマンが焦ったような声で呟いていた
「少将! 109小隊から通信が入りました」
「早く繋げ!」
「少…将、こちら109小隊…置、完了…しま…た」
途切れ途切れだったが確かに完了したと聞こえた
「よし。部隊を撤収させろ」
そのまま防衛網から撤収させた

「ジン、爆発半径から出たわよ」
「よし、爆発させろ」
隊員が頷き、爆破ボタンを押した

爆発音が響き、けたたましい警報音が鳴り響いた
「何事だ!」
「第一固定脚部爆破されました。第三も爆破されました」
「何! 脱出は出来ないのか?」
「無理です。脱出シャフトも使用できません」
「こんな…ところで…終わるの——」
全て言い終える前に【イブ】の司令室は爆発に巻き込まれ【イブ】は倒壊した

【イブ】が倒壊した途端ISU軍は瓦解しミュンヘンはWDA軍によって奪還された。これによりドイツを押さえていたISU軍は大幅に戦線を下げ。欧州戦線の優劣はWDA側に軍配が上がりつつあった