複雑・ファジー小説

Re: 【REVERSE WORLD】… 士官編 最終章開始  ( No.70 )
日時: 2012/12/27 02:04
名前: 将軍 (ID: xRtiMmQO)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/730jpg.html

第3話
「横浜で中国人ゲリラが蜂起したようですね」
小隊の溜まり場になっている共同スペースで新聞を読んでいた
「北海道ではロシア海軍が軍事示唆行動を起こしたそうです。幸いにも北海道駐屯軍はかなりの練度を誇っていますから何事もなかった様ですが」
瀧上も柔欄寺とは違う新聞社の新聞を読んでいた
「物騒だな。また攻めてくるのか?」
「それはないと思います」
「何故?」
「中国軍は先の長崎防衛戦の際に侵攻軍壊滅というかなりの痛手を負っていますしロシア軍は欧州戦線のほうに戦力を向けておかないと何時攻められるか分からないからですよ」
野々村の疑問に柔欄寺が答えてくれた
「なるほどな、ならまだ安心かな」
「隊長、紅鳥曹長は勲功式に同行するのですか?」
「いや、連れて行かん」
野々村が言い切ると柔欄寺がなにやら笑みを浮かべていた
「何だよその笑みは」
「いいえ、別に。美鈴は愛されてるなぁと思いまして」
「な、なんでそうなるんだよ!」
「いえ、軍医の方は問題はないと言っているのにあえて置いていくので」
…何でそのこと知ってるんだよ!
頭を抱えたくなったがなんとか自重した
「む、無理して酷くなったら戦力に影響が出るからな」
我ながら無理がある建前だった。周りの視線が生暖かい
「はいはい。では、そういうことにしておきましょうか」
柔欄寺がくすくす笑うと周りもつられて笑い出した
「ほ、本当だから!」
仲間と他愛の無いやり取りが普通に出来る日常が続けばいいな

12月22日
第109特別遊撃小隊は24日〜25日にかけてアメリカのWDA本部で行われる勲功式に出席にするために空港まで来ていた。別に23日出ても十分に間に合うが余裕を思って前々日に出立する事が決定していた
「ジン」
空港で飛行機に乗り込むため移動しようとしたときに美鈴が走ってきた
「おい、見送りはいらないって言っただろ」
「違う、コレ、渡してなかったから」
息を切らせながらも美鈴の手から小さな箱が渡された
「メリークリスマス、ジン。まだちょっと早いけど」
「ありがと、美鈴」
美鈴に近づき、そっと抱きしめると美鈴がギュッと抱き返してきた
「早く帰ってきてよ」
「演習終わったらとっとと帰ってくるよ」
顔を近づけキスしようとすると
「たいちょー、ひこーき、でるぞー」
阿木が探しに来ていた
「じゃあ、行って来るよ」
「…うん、いってらっしゃい」
若干頬を膨らせながら見送ってくれた