複雑・ファジー小説

Re: 【REVERSE WORLD】… 士官編 最終章開始  ( No.71 )
日時: 2012/12/28 00:12
名前: 将軍 (ID: xRtiMmQO)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/730jpg.html

第4話
12月24日、世間はクリスマスイブ。恋人と二人っきりで過ごす者、友達とワイワイ騒ぎながら過ごす者、家族で過ごす者。はたまた一人寂しくで過ごす者と色々な過ごし方をしている中、第109特別遊撃小隊の面々は——
「なんか、場違いだよな。俺たち」
場の雰囲気に飲まれていた。
「あぁ、まさか24日は前夜祭だったとは思わなかった」
第1種特別礼装に身を包んだ第109特別遊撃小隊の面々は勲功式が行われるアメリカのノースカロライナまで来ていた。が勲功式は実は明日で今日は前夜祭としてパーティーが開催されていた
「他の皆さんはドレスやタキシードですのに、日本軍だけ礼装ですからね」
日本軍の面々は礼装だったがアメリカやイギリスなど他の国々の参加者は前夜祭の事を知っていたようで全員がドレスやタキシードなどに身を包んでいた
「あら、みんな久しぶり! 三ヶ月ぶりだけどね」
声のした方に振り向くとそこには薄く化粧をし黒いドレスに身を包んだアデーレが居た
「アデーレ曹長、お久しぶりです」
「うん、でも何で日本軍は全員軍服なの? 前夜祭なのに」
「そ、それは…」
野々村が視線を泳がせた
「ま、良いけど。みんなも楽しみなさいよ、じゃあね」
手を振って去っていった
「まぁ、パーティだから楽しむか。料理もあるし」
礼装は恥ずかしいがそこはもう諦めてパーティーを楽しもうと小隊員は思い思いにパーティーを過ごし始めた

「本日は前夜祭に参加していただきまして。真に感謝いたします」
パーティーも佳境に入り、盛り上がりが最高潮に達してきた頃、このパーティーの主催者であろうアメリカ軍の高級士官が挨拶のため壇上に上がった
「た、大変です!」
挨拶の半ばを過ぎた辺りで下士官であろう人物が必死の形相で壇上に駆け上がってきた
「何だね? まだ挨拶中だぞ」
自分の挨拶が遮られた事が嫌だったのか露骨に嫌そうな顔をしている高級士官を歯牙にもかけずに

「に、日本が陥落いたしました!」

それを聞いた途端野々村は外に飛び出していた
「隊長! どこに行く気ですか?」
瀧上が走ってき野々村の腕を掴んだ
「離せッ! 今から戻れば美鈴ぐらいなら…」
「無理です。片道11時間もかかります、どうやっても間に合いません」
瀧上がきっぱりとした口調で断言した。野々村は膝から崩れ落ち
「な、何で、こんな事に…こんな、ことなら…美鈴を…」
「隊長……」
「美鈴—————ッッ!!」
野々村の叫び声が夜の空に轟いた

西暦2110年12月24日 後にこのISUによる日本侵攻作戦は【赤色のクリスマスイブ】と呼ばれ
その翌日の12月25日 ISUはアジア大陸統一宣言を全世界に宣言。この宣言は【クリスマス宣言】と後に呼ばれるようになった