複雑・ファジー小説

Re: 【REVERSE WORLD】… 日本奪還編 開始  ( No.74 )
日時: 2012/12/28 23:30
名前: 将軍 (ID: xRtiMmQO)
参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/730jpg.html

第1話
少年は一人焼け野原になった街を走っていた。何かを探すように
「何処に居るんだ…」
焦りを隠さず、ただ走った。そして見つけた

死体となっている女性を

「あぁ、美鈴」
その死体に近寄り抱きしめた。その死体は死んでいるはずなのにこちらを見、そして

「ねぇ、どうして助けてくれなかったの?」


「ッ! ……夢か」
ベットから飛び起きた野々村は額を押さえた、額には汗が浮かんでいた
「…もう2年、か」
西暦2112年
【赤色のクリスマスイブ】以降、世界情勢は変わりつつあった
アジア大陸統一を果たしたISUはアメリカ大陸進出を狙い、ハワイ侵攻を進めているが欧州戦線が奪われていた領土を全て奪還し、ISUに対し牽制をかけているためハワイ侵攻は行われていない
アメリカ大陸は日本陥落の報を聞き、ISU優勢とみた社会主義者たちが一斉に武装蜂起、ノースカロライナ州を除く、全ての南部アメリカを占領し【南アメリカ社会主義連邦】を形成。正式にISUに加盟した
アフリカ大陸はアメリカ連邦への重要な補給線として戦略的地位を高めていった
【赤色のクリスマスイブ】の際に天皇家及び一部の国民を連れ、脱出した日本海軍第一戦隊及び日本陸軍近衛重隊、第三師団、日本空軍第四戦闘航空団はアメリカ軍に合流、在米日軍として活動していた

「みんないるか?」
小隊のブリーフィングルームとして与えられている部屋に来ていた
「はい、少佐」
2年間の間に野々村は階級を3階級上げるという異例すぎる出世を果たし、隊員達もそれぞれ階級が上がっていた
「今日はアメリカ軍第523小隊との演習戦だ、想定内容は市街地戦だ。言う事はただ一つ、ブッ潰す。それだけだ」
「「了解」」

「逃げなかったことだけは褒めてやろう、野々村少佐」
「黙ってたほうが身のためだぜ、大口叩いて負けたときの言い訳が出来ないぜ」
第523小隊の小隊長とガンの飛ばしあいをしていた
「両小隊、所定の位置について下さい」
「精々足掻けよ。ジャップ」
「こっちのセリフだ、WASP」

「ちくしょう! 何処に居るんだあいつ等は」
戦闘が始まってものの5分も経たぬ内に第523小隊は2/3の隊員が死亡判定をもらっていた

「バカだな。あいつ等は」
野々村は兵力を分散して置き、ゲリラ戦を展開し、敵を掃討しつつあった
「俺の部隊と阿木の部隊の半分は正面で囮、瀧上の部隊は後方に回り込んで強襲、柔欄寺の部隊と阿木の部隊の残りは左右に分かれて挟撃。それで終いだ」
野々村の指示に従い、一斉に動き始めた

「隊長、109小隊です! 前方距離700」
「バカめ。全部隊迎撃準備! 奴等を叩きのめせ」
小隊長は勝った気でいるのか頬を綻ばせていたが、すぐにその顔は絶望に変わった
「後方に敵影、なっ! 左翼、右翼にも敵影捕捉。完全に囲まれました」
「敵部隊が接近、迎撃間に合いません!」
足音が聞こえ、その方向を向くと演習用の銃を担いだ109小隊の面々がそろっていた
「よぉ、WASP。これで終いだ」
小隊長に銃を向けた