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複雑・ファジー小説
- Re: ミッシング・リスキー ( No.1 )
- 日時: 2011/08/06 17:04
- 名前: ヘタレA (ID: T3.YXFX2)
—プロローグ—
数年前の出来事だ。
人は魔術という異質な力を得た。
その力は『精霊因子』と呼ばれる存在が原因だった。
———が、その『精霊因子』は爆発的に世界に感染。
人は魔術を得る。
そして戦争が勃発。
世界の経済は一気に崩れ落ちる。
そして現在———。
◆
「クロスロード。何してんだよ」
ガレキと化した建物の中、少年は首をかしげた。
少年の名は、ロスト・クロスロード。
コノ世界では滅多に見れない希少種であり、そして、周りから異質だと考えられる人種。
数年前の人類と同じ、『精霊因子』を持たない者だった。
半壊した街をボォッと見つめるクロスロードを、友人はイライラした感じで聞く。
「クロスロード!」
「そんな叫ばなくても聞いてるって。で、何だよ?」
「お前、いい加減こんな場所はなれたらどうだ?俺が住む場所くらい、」
「悪いけど断るよ」
そういうとクロスロードは前文明と同じように当たり前のように食べ物を口にする。
『精霊因子』を持つ者とは異なる行為だった。
『精霊因子』を持つ者は『魔術』という異質な力を得る代わりに、代償に、『食事』という行為を喪失していた。
『精霊因子』と『食欲』という因果はまだ判明されてはいないが。
おそらく、『精霊因子』はある意味『細胞感染』なのかもしれないという仮説が一番だった。
「クロスロー「俺、行って来るわ」」
そういうとクロスロードはブーツを履き、釘バットを担ぐ。
「・・・せめて怪我だけはすんなよ」
「りょーかい」
既に半壊状態のビルの扉は、乱暴に閉じられた。
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