複雑・ファジー小説

Re: ミッシング・リスキー ( No.2 )
日時: 2011/08/06 17:33
名前: ヘタレA (ID: T3.YXFX2)

町外れに住む異端者。
人々からは忌み嫌われ、殺されかける事も毎回あるが———。


「なんだぁ?」

「あのさぁ、毎回毎回想うんだけど」

「あ?」

「犯罪行為、ダメ、絶対」






—№01— 《ファースト》






数分足らずで終わった現状を、めんどくさそうに振り返って、クロスロードは溜息を吐く。
そして、子供のほうを向く。


「おにーちゃん、あ、ありがとう」

「いんや。いーっていーって。それより早く帰んな。この場所、危ない場所だからこれから来ないように」

「あ、うんっ」


元気良く返事をした子供はタッタッと走って行く。
そしてチラッと撃退した不良共を見る。


「テメェ・・・何者だ」

「んへぇ?俺?『魔術が使えない者』だよ。お前等は魔術が使えない奴に負けたんだよ。ダッセェの」


先ほど落とした釘バットを持って、半壊状態の街を歩いて家と証した場所に行く。


———が、




「・・・うわぁ」




マジで帰りたくなくなってきた。
踵を返し、後ろを振り向いた瞬間砲撃が飛んできた。


「ロスト・クロスロードだな」

「・・・チガイマス。ヒトチガイデス」

「ふざけるな。貴様がロスト・クロスロード・・・。異端者、能無しであることは把握している」


能無しと評されたクロスロードは、そのコトバに苛立ちを覚える。
というか。
コイツ、マジで人の神経逆なでするような言い方するよな。


「あー、ハイハイ。俺がロスト・クロスロードですが何かー?」

「貴様が先ほど行った行為について、だ。犯罪行為だ」

「・・・いたいけな子供を護ったんですが」

「犯罪は犯罪だ。それに、あんな子供、どうでも良かった」

「・・・あ?」

「あの子供は能無しに近い『精霊因子』保持者だ。役に立たぬ子供など、要らぬ」

「・・・オイ(ガッ)」

「なん(ドガッ)ッ!」

「団長!」


団長?
んなのクソくらえだ。
今なんつった、コイツ。
どうでも、いい、だと?


「ふざけんなよ。テメェ何様だ。人の命を決め付けるほど偉い奴なのか?テメェ、人の命を述べるほど偉い奴なのかよ」

「よくも・・・」

「・・・止めろ。・・・撤回しよう」


部下を止め、団長と呼ばれた男は近付き、クロスロードに言う。


「俺は『国家魔術騎士団』団長だ。・・・成る程な」

「あ?」

「いや、コチラの話だ。・・・行くぞ」

「あ、は、ハイ!」


さっさと去って行った男達の後ろを見ながら、クロスロードは不思議そうに首をかしげた。