複雑・ファジー小説
- 命短し、闘れよ乙女!! ( No.196 )
- 日時: 2012/06/28 22:04
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: L3t15YTe)
- 参照: 潮「あれ? くくり、どこ行ったー?(´・ω・`*)」
「さぁ、千宗ちゃん、行きますよっ!」
「……うん」
「もいっふる、もゆー?(潮しゃま、どこー?)」
夢幻さんがいつまでたっても廃墟に連れて行ってくれないから、ほぼ確実についてきてくれる千宗ちゃんと2人で行くことにしてみた。
天気は晴れで、涼しい風が気持ちいい。
「…………千宗ちゃん?」
「もゆっ?(ボクはくくりだよ?)」
朝、夢幻さんの家のリビングにいた潮さんの『フォイユ』であるはずの水色の丸っこい生物が千宗ちゃんの腕の中にいた。
なんで連れてきてしまったんでしょう……?
「……モフモフするのにちょうどよかったから」
そんな理由で連れて行って良いなら、ユリアさんは学校にだって連れて行ってしまうだろう。
どうやら、夢幻さんもこの子のことが気になってるみたいだったし……。
私かこの水色の子かどっちか片方だけ選んでと言われたら、夢幻さんは間違いなくこっちの子を選ぶだろう。
実際、この子の持ち主である潮さんがくれる、と言ったら、二つ返事で貰います、と答えてしまう。
「ラッキー! 先手必勝! 【ハートフルメテオ】!」
背後から『ブルジェオン』と思わしき声と、ハートのような形をした隕石の山が降ってきた。
やっぱり、「廃墟みたいなところに他のノンブルがいそう!」私の勘はあたっていました!!
「千宗ちゃん!」
「……了解」
防御力に欠ける私の代わりに、千宗ちゃんにシールドを出して防いでもらう。
千宗ちゃんの攻撃力は成人男子の平均程度しか無いが、防御力はかなり高い。
研究所の人たちの話によると、私の防御力が低いから、千宗ちゃんの防御力が高いらしい。
「うげっ、『フォイユ』持ちのノンブル!?」
相手の『ブルジェオン』が顔をしかめて、そう言った。
『フォイユ』って、『ブルジェオン』はみんな持ってるんじゃ……?
「今度はこっちからです! 【緑光拳】!!」
『フォイユ』についての疑問はひとまずおいておいて、右の拳に緑色の光のオーラを発生させ、それで敵のお腹めがけて殴りかかる。
指にはめているメリケンサックは伊達じゃないんですよ!
「かはっ……!」
その拳は彼女のお腹に命中し、彼女は吐血し、少しの距離とはいえ吹っ飛ばせた。
さすがに一撃で倒すことは出来ないが、だいぶダメージを与えることが出来たのは大きい。
「挨拶が遅れました。 ブルジェオンノンブル16、和です!」
しっかりと相手に挨拶をする。
やっぱり、勝負は正々堂々とするべきですよね!
「プルアアア!(和が名乗ったんだから、お前も名乗れ!)」
いつの間にかうさぎの姿に戻っていた千宗ちゃんが相手の『ブルジェオン』に向かって叫ぶ。
千宗ちゃんは、うさぎの姿になると突然テンションが上がるから少し不思議だ。