複雑・ファジー小説

命短し、闘れよ乙女!! ( No.60 )
日時: 2011/11/20 15:47
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: Hfcg5Sle)
参照: 微エロ注意でございまするw

うーん……。
契約者である『パピヨン』が何たるかは分かったけれど——

「『ブルジェオン』は——何故、闘うんですか?」

闘えそうな場所を探したり、和ちゃんと潮さんが最初に邂逅した時もいきなり殴りかかったりと、まるでそれが義務であるかのように闘う。
それが『ブルジェオン』の生い立ちと同等に気になって仕方がない。

「詳しいことは『ブルジェオン』である私もよく分からないんですけど、ある一定数の人数になるまで闘わなくてはいけないんです」

和ちゃんがハキハキとした声で、ブラックなことを言ってのける。
だが、目はさっきまでとは違い、若干伏し目がちで表情全体も暗い。
詳しいことを知らないからこそ、不安感が少ないのだろう。

詳しいことを知っている様子の潮さんは非常に険しい表情を張り付けている。
そして、さっきから気になっていたのだが、ワイシャツの第三ボタンが外れているのは仕様なのだろうか。
それとも、単純にかけ忘れたのだろうか。
第三まで開いてるせいでただでさえ色っぽい潮さんの胸部がかなり露出してしまっている。

一体、これは誰に向かってのサービスなのだろうか……?

「あっ……第三開いてた」

とりあえず、うっかりミスであることは発覚したわけだが、今のは俺や和ちゃんの話題をずらすための誘導だろう。
はぐらかされるのはいい気がしないが、それだけ重くて辛い理由があるのだろう。

「お兄ちゃん、ティッシュ箱のストックはどこにあるのー?」

そんな潮さんのせいで、我が家のティッシュが物凄い勢いで無くなってている。

「トイレの近くのクローゼットに入ってる」

とりあえず、鼻血を垂れ流しにされるのは困るので、ユリアにティッシュ箱のストックがある場所を教える。
すると、ユリアがフラフラとした足取りでクローゼットの方へと向かって歩き出す。
足取りからして、間違いなく貧血状態なのだろう。

「青年、こっち向いて」

突然、背後に立っている潮さんに呼ばれた。

「何ですか?」

言われた通り、後ろを振り向くと同時に、潮さんに抱き寄せられた。
シャツを脱ぎだした時から思っていたのだが、潮さんも和ちゃん同様に突拍子の無い行動が多いなぁ。

「『ブルジェオン』はね、契約者とお互いに性的興奮を感じれば契約が成立するんだよ。 まぁ、一応、錯誤——勘違いでも大丈夫みたいだけど……ね?」

潮さんが色っぽく僅かに潤んだ瞳を細めニコッと笑いながら、『ブルジェオン』との契約方法を語る。
うん、お陰で一律は理解出来たな。

詰まるところ、俺は今、貞操の危機に陥っているわけだな。

「嫌ァァァ!! ユリア、和ちゃん、助けて!!」

情けないことに、潮さんに抵抗一つ出来ることなく押し倒される。