PR
複雑・ファジー小説
- Re: ジャック・ザ・リッパー_薔薇を好む悪魔_ ( No.24 )
- 日時: 2011/08/31 09:13
- 名前: 爆 ◆fcK1rqhpnk (ID: 4fy95xCZ)
真夜中、ミカロス婦人を真っ赤に仕立てた、仕立て屋が家へ戻る。
歩きながら真っ赤な返り血を拭うため、胸元のポッケットから真っ赤なハンカチを取り出す。額の返り血、腕の返り血、全てを綺麗に拭う。
するとあることに気付いた。
「臭いが、残ってしまいますね。少々、匂いの強い化粧品を使ってしまいましたから…」
ボソっと呟く。確かに少し、血、独自の匂い。鉄分の匂いがする。
バサッ
着ているジャケットを華麗に脱ぎ、素早くたたみ、腕にかける。
「さ、行きましょう。」
再び、歩き続ける。そろそろ、ドルトン邸が見えてくる。車すら通らない目立つはずもない細道を進む。街灯がたった一本だけ見える。あの街灯の角を右に曲がるとドルトン邸だ。
真夜中な為、さすがにこんな大きな家には入りずらい。不審者に思われるだろう。
一応、エマには今夜は帰らないと言っておいたが、それもエマは怪しがっているかもしれない。
オマールが恐れていることは帰れないこと、夜、ジャックだという事より、エマに別の女性と会ったことがばれる事だ。まぁもうその女性は亡き者なのだが…
「今日は野宿だな…」
PR