複雑・ファジー小説
- Re: 交錯する世界 第一幕(キャラ募集中、アンケート中) ( No.138 )
- 日時: 2011/10/02 00:00
- 名前: Rlcssha (ID: GHSfKC5a)
おれが、小学5年ぐらいのとき、隆樹に訊いたことがある。
『なんでベランダに入っちゃいけないんだ?』
『…確か…——』
そう。自分は銃の引き金を引いていた。まさにそのときだった。
ガラッ、と何かの崩れる音。そして体のバランスも崩れる。
『…確か…、この学校のベランダがかなり古くて、落ちる心配があるって言ってたかな』
そう。このベランダは手すりも、床も古かった。落ちるのを防ぐ柵も古かった。
そのため、柵と床がくっついているところが崩れた。そのとき、まさにその場所にいた自分は、もう落ちるしかなかった。
…そのとき、おれはどんな顔をしていたのだろう。
多分、驚きと、絶望の混じった顔をしていたのだろう。
目の前に、見覚えのある影が見えるまでは。
仄香「—守護壁です」
煉「っ…仄香!?」
仄香は空中に手をかざした。そこから放射線状にガラスのようなものが形成されていく。
天魔「あーっ!もうちょっと左、左!!」
勇人「どこだよ!はっきり言えよ!」
下からも声が聞こえた。
茉由「ふっ…茉由の出番みたいだね」
茉由の声がそこで途切れると、急にぐっと引き寄せられる感覚になった。
そして背中にちょんと、細いものが当たった。
茉由「さぁ〜これで大丈夫♪」
勇人「いいとこ取りしやがってっ!」
茉由「なんとでもいえっ」
楓「?……あれ…仄香は…」
「「「「…あ」」」」
そこにいた四人の顔が青ざめた。とほぼ同時に、
仄香「きゃっ…!」
という仄香の短い悲鳴が聞こえたのは言うまでもない。
仄香「—みんなひどいのです…」
天魔「いやっ、ほんっとごめん!!」
童「かすり傷で済んだだけましだ」
結局、仄香はすぐ下の茂みに落ちたので、かすり傷ぐらいで済んだのだが、本人は怒っていた…のだろうか?
仄香「かすり傷でも痛いものは痛いのです…。そもそも、貴方さんは愚生の真下辺りにいたではないですか」
童「よそ見してた」
仄香「それは理由どころか言い訳にすらならないです」
段々と話が進んでいく。また訳が分からなくなる前に訊いておかなくては。
錬「さっき…おれを受け止めるのどうやって」
茉由「それはねぇ…これを使ったんだょ!」
茉由が、なぜかうれしそうに手に持っている杖のようなものを見せた。
茉由「これでね…この世界の時空の歪みから漏れる闇の力をこのステッキの一点に集めてその波長と大気の波長を逆にして万物を吸収し…」
楓「要するに小さいブラックホールを作ったわけですよ」
錬「ああ…そうなのか…」
茉由「楓!人の役奪うなっ!」
楓「茉由の話はいちいちが大げさすぎます」
茉由「ぅ…ぅるさいよっ」
茉由はぷいっとそっぽを向いた。
関係ないが、自分以外が女子だと話しづらいのはおれだけだろうか。
錬「なんでそんな…ブラックホールなんか」
茉由「なんでって…。茉由はかわいぃ男にょっ…ぃや人助けのためならなんでもするよっ…!」
楓「(とか言って錬と話したかったのは見え見えです…)」
錬「あれ…もう一人いなかったか?」
楓「ああ…恵鈴?恵鈴なら上の人達を迎えに行ったよ」