PR
複雑・ファジー小説
- Re: 交錯する世界 第一幕「START」(オリキャラ10人募集) ( No.16 )
- 日時: 2011/08/28 22:24
- 名前: Rlcssha (ID: fiow63Ig)
第一章 「開かれた扉」
第一話 「錬と隆樹」
錬「行ってきます!」
おれはそう言うと、ダッシュで家を出た。もうあいつは待ってるだろうな…まだ新学期が始まってまもないのに、いきなり遅れるとは…そもそも
あいつが悪いんだ!待ち合わせ場所を遠くするから…
—ほとんど人の通らない住宅街を抜け、視界が開ける。どうやら大通りにでたようだ。おれの家は、迷路のような住宅街の中にあるので、迷いやすい。おれにとってはそんなことないのだが。
隆樹「…遅い」
隆樹はもうすでに待ち合わせ場所に来ていた。隆樹の家は、今おれがいる待ち合わせ場所からわずか1分で着く。それに比べて、おれは3、4分かかる。走っても2分はかかるくらいだ。
隆樹「もう10分も待ったんだぞ」
錬「しょうがないだろ…あのプリントがなかったんだからよ…」
隆樹「…自業自得だよね」
錬「う、うるさいな…。今何時?」
おれがそういうと、隆樹はある店の中の時計を見た。
隆樹「7時55分」
錬「やばっ!ちょっと走るぞ!」
隆樹「先に行くと道わからなくなるんじゃなかったの?」
錬「あ…」
そうだ。おれらがこうして待ち合わせしているのも、このためだ。
中学校に入学して1週間。まだ道もうろ覚えだ。そしておれは記憶力がない。小学校は、中学校とま逆の方向にあり、おれの家からも近い。
なので、とても道が覚えやすかった。
しかし、この中学校は…遠い。わかりにくい。俺の家は、その中学校の学区のほぼ端。今の時間だと走らないと間に合わない。
錬「ほら!早く!」
隆樹「…」
隆樹は無言でおれの前を走っていく。
おれも、その後を追った。
PR