複雑・ファジー小説

Re: 交錯する世界 第一幕(キャラ募集中、アンケート中) ( No.168 )
日時: 2012/01/01 00:33
名前: Rlcssha (ID: cHp/tugs)
参照: 更新再開。お待たせ?してないよね・・・。

カン   カン   カン  

何か金属音が響く音がした。
修理中なんだということは百も承知だが、暇だ。
3分というのは嘘らしく、実際はもう少しかかるらしい。そりゃそうだ。
雷喜は向こうで壁に寄りかかって寝ている。
聡真は、おれの隣で飴をなめている。
あまりにも暇なので、その間適当に話していることにした。

錬「—あのさ」
聡真「へ?」

聡真が、驚いたような、そうでないような返事を返す。

錬「どうして、こんな軍らしきものに入ったんだよ?」
聡真「え・・・」

自分の突然の質問に、どう答えたらいいのかわからないのか、
少し黙った。

聡真「…みんな希望したんだよ。自分から」
錬「へ?」

今度は自分が驚いたような、そうでないような声を出してしまう。

錬「希望?じゃあ隆樹も?」
聡真「もちろん。みんな‘核’のこの部隊で戦うためにだよ」
錬「わざわざ自分の命を懸けてか?」
聡真「それ程の目的があるんじゃないのかな。僕は、みんなの事情はわからないけど」
錬「じゃあ、聡真は何で…」
聡真「それは………」

なんて言おうか迷っているのか、なかなか言ってくれない。それとも…

と思っていたが。

聡真「何でだろ?」
錬「は?」

あまりにも意外な返事に思わずそう言ってしまう。

錬「何でだろじゃないだろ…」
聡真「ほ、ほら、そのときの気持ちなんて覚えてるわけないし…あ。」

と聡真が言うと、後ろから、

京二郎「終わったよ。持ってけ」

どうやら修理が終わったようだ。

新品のような…とまではさすがにいかないが、それでも充分きれいだった。
聡真が、雷喜を起こしに行く。

これで、おれの初任務は無事終わった…のだろうか。

聡真「マスター、サンキュー!」

と聡真が言って、店を後にする。
早く帰りたいのか、聡真が走って行く。雷喜も、その後を追う。



—あの時 

聡真が理由を言わなかったのは…

なんて言おうか迷っていたのか…それとも…



言えないことだったのだろうか。