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そう。紛れも無く隆樹本人だ。

錬「隆樹！！？」

おれは異世界の隆樹に向かって叫んだ。
そのとき、おれは無意識に手を伸ばしていた。

すうっ…

急に指先が吸い込まれるような感じがしたと思うと、体全部がその異世界に吸い込まれていた。
まるで掃除機に吸われるほこりのように。
もちろん、おれは掃除機に吸われたことはない。

—吸われたとき、痛みは感じなかった。ただ、吸い込まれていくという感じしかなかった。

それにしても…なぜいきなり吸い込まれたのだろうか…よくわからない。
普段はありえないことなのに、妙に心が落ち着いている。
前からこうなることを知っていたのだろうか。でも、どこで…？

いずれにせよ、これだけは言える。

自分は、この夢の先を、越えた。見ようとしても見えなかった、
あの、「異世界」へ、行くことができた。