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複雑・ファジー小説
- Re: 交錯する世界 第一幕「START」(オリキャラ募集中) ( No.80 )
- 日時: 2011/09/06 22:41
- 名前: Rlcssha (ID: fiow63Ig)
始めに感じたのは多少の痛みだった。
次に、車の走る音が聞こえてきた。
その次に、地面の熱さを感じた。
その次に、何かを焦がしたような匂いをかいだ。
そして、おれは目を開けた。
第二章
第五話「鐘が鳴るとき」
目を開けてまず見た光景。それはあの脇道だった。
おれと隆樹が、誰かに殴り飛ばされたところだった。
空を見上げると、さっきとは逆に晴れている。だが、若干雲が残っていた。
もう一度視線を戻す。目の前には、一本の電柱がある。
さっきと違うのは、そこに隆樹がいないということだ。
じゃあ、隆樹はどこにいるのだろうか。確かにあの時、おれは隆樹本人を見たはずだ。長年一緒にいたのだから、間違いは絶対にしない。首がちゃんと動くことを確認すると、左右を見た。脇道には、隆樹らしい人はおろか、他の誰もいなかった。大通りも、めずらしく車があまり通っていない。いつも混んでいるのに…。
そう思うと、不気味だった。もしかして、さっき見た隆樹は幻だったのだろうか。
本当は、この世界には、知ってる人なんて誰も…—
その思考が頭をよぎったとき、おれは首は振り、その思考を記憶ごと消した。
錬「—行ってみるか…」
独り言のように言うと、おれは自分の足をさすりながら立った。
そして、大通りの方へ向かおうとした。そのとき…。
ズドン!!!
突然、後ろの方から、銃声とよく似た音が聞こえてきた。
と同時に、ブロックの壁が崩れ落ちる音も聞こえた。
そして、かすかな足音も聞こえた。
おそるおそる後ろをふりかえる。そこには—
隆樹「……何してるんだ?」
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