複雑・ファジー小説

Re: ◆鬼退師付き海賊銃乱戦風◆【参照100】 ( No.27 )
日時: 2011/09/07 19:00
名前: 王翔 ◆OcuOW7W2IM (ID: XVMC6nXK)

第六論



 船員室で、リオがさっと手をかざすと《人物情報》が出現し、《船》をタッチする。
 ぱっと青色の四角いウィンドウが表示され、赤い点のようなものと大きめの白い円図形が浮かび上がる。
 それを不思議そうに眺めながら、星乱が口を開く。

「それは、何だ?」
「操縦表にみたいなやつだな。この赤い点が現在位置で白い円図形が大陸や島を示しているんだが」
「ふむー」

 それほど、遠くない位置に小さめの円図形が浮かび上がっている。
 目指しているのは、この島らしく、リオがその円図形をタッチする。

「動くぞ、倒れるなよ」
「恐いですよー……」
「セラちゃんは、恐がりだね」

 ガクガク震えるセラに、にこっと天使のような笑顔でアッシュが肩をポンと叩きつつ声をかける。
 一瞬、船が大きく揺れる。その後は、床がふわふわした感じで上下に動いているのが分かる。
 リオは、ウィンドウを消し去るとソファに腰掛ける。

「しかし……、便利なものだなー。それだけで、船を動かすことができるとは」
「ああ」
「ヒマだなー」

 星乱は、リオの隣に腰掛け、視線を落とす。
 ふわふわした尻尾が見える。
 触ると気持ち良さそうだと思い、そっと手を伸ばすが……、一瞬でリオが飛びのいた。

「今、何しようとした?」

 怪訝そうに問いかけてくるリオに対し、星乱は不思議そうにしながら首を捻る。

「尻尾をモフモフしようと思ったのだが、問題あるのか?」
「尻尾は触るな。絶対にだ!」
「しかし、ふわふわで触り心地が良さそうだと」
「とにかく、ダメだ! アッシュの羽で我慢しろ」

 アッシュは、困ったように言う。

「何で僕の羽になるのかな?」

 星乱は、一息つき、立ち上がると窓のカーテンを開ける。
 空が灰色に染まり海の波は、いつもより高く波打っていた。

「何かありそうだなー……」

 ぽつりと呟いた。