複雑・ファジー小説

Re: ◆鬼退師付き海賊銃乱戦風◆【イラストアップ!】 ( No.37 )
日時: 2011/09/08 19:43
名前: 王翔 ◆OcuOW7W2IM (ID: wqHv3UL/)
参照: http://ameblo.jp/686-7777/image-11011619274-11470081159.html

第八論


 しとしと降り注ぐ雨が地面を濡らしていくなか、木々がうっそうと生い茂り、緑色の空間が展開する森のなかを歩いていた。
 現在は、リオと星乱二人だけである。
 しかし、二人の間には距離が生じていた。
 スタスタと素早く歩くリオに対して、星乱はのろのろとリオの一メートルぐらい後ろを歩いていた。
 それに気づいたリオは、足を止め、振り向く。

「さっさと歩け。のろいぞ、このバカ」
「うー……、もう疲れたー」
「はあ!? まだ船から出て来て十分ぐらいしかたってないが!? お前、大丈夫か!?」
「運動は嫌いだ……」

 疲れたような表情で呟く星乱。
 その様子を見て、リオを少し不機嫌そうにしながらも口を開く。

「一旦、休むか。ま、喰い人や鬼が出て来た時に疲れて動けない、じゃ困るからな」
「ありがたいー」

 森の奥に、洞窟があったのでそこに入り、休憩を取ることにした。
 星乱は座り込んだかと思うとその場で横になる。

「おい、何してるんだ?」
「少し寝る」
「はあ? まあ、寝れるならいいが……」

 洞窟のなかは、地面がごつごつしていて正直寝るには、あまりいい環境とは言えないだろう。
 本人が問題ないのならば、口出しする理由もないのだが。
 星乱は、目を閉じるとすうすうと寝息をたて始める。
 それを横目で確認すると、リオは肩にかけていた大きなバッグを外し、チャックを開けると中から黒い服を取り出した。
 雨で濡れてしまっていた、今着ている海賊衣装を脱ぎ捨てると、服に手をかける。

「あ、ところで……聞き忘れていたんだが」

 不意に、星乱が起き上がる。
 目が合い、リオは顔を真っ赤にして恐る恐る口を開く。

「な……、お前……何でこのタイミングで……」

 自分の今の姿を改めて確認すると、やはり服も着ていない状態で恥ずかしいとしか形容しようがない。
 
「俺が、今起きると何か問題あったかー?」

 星乱は、不思議そうに首を傾げる。慌てる様子も全くない。

「どうしたー? 何か困ることがあるのか?」
「いや……、その……できれば、後ろを向いてくれると嬉しいというか……」

 もしかして、気づいてないのか? それなら、何とか乗り切れるかもしれない、と思うリオに対し、星乱はぼーっとした表情で口を開く。

「人前で着替えるのは、どうかと思うが……」
「うるさいっ! 今すぐ忘れろ! 忘れてくれ、うう……」
「で、金の花がどこにあるのか目星はついてるのか?」
「ついてたら、手分けして探したりなんかしない! 早くあっち向け! こっち見るなあ!」