複雑・ファジー小説

Re: 【第十三論!】◆鬼退師付き海賊銃乱戦風【オリキャラ募集!】 ( No.88 )
日時: 2011/09/11 18:28
名前: 王翔 ◆OcuOW7W2IM (ID: ochT2IaH)
参照: 故障でマウスが効かない……!

第十四論




「それで……協力してくださいますか?」
「うむ」

 アリアの問いかけに、星乱はあっさりと頷いた。
 
「バカ猫! 何でオッケーするんだよ!」
「俺も、少し思うことがあってなー。これは見逃すわけには、いかんのだ」
「……くそ! 分かった。協力すればいいんだろ!」

 リオは、不満そうにしながらも了承する。
 不満だったが、海賊団をたった一人で潰してしまう猫人というのも正直気になっていた。それほどの強者というのならば、何か珍しい物

でも持っているかもしれないという考えもあったが。

「よし、全員俺に従って動けよ」
「命令するんじゃない!」

 ティヴルの言葉に、いちいち激怒するリオ。
 相変わらず、天使みたいなほわほわした笑顔を浮かべているアッシュ。
 



                 
                 ◆



 船を港に止まらせ、リオ達は《旅人の町》に来ていた。
 多くの旅人が集まっていて、なかには乱暴者もいそうだ。
 リオは、怪訝そうに尋ねる。

「何でここなんだ?」
「ここで、見たって人がいるんですよ。私の友人なんですが……」

 リオの質問に答え、アリアは周囲をキョロキョロと見回す。
 
「どこにいるんでしょうか。港で待っててほしいって頼んだはずなんですが」

 そう呟き、肩を落とすアリア。
 
「ところで、その友人とやらは……どんな奴なんだー?」
「青い服の狐さんですよ」
「狐……」
「リオちゃんの仲間だね」

 アッシュがにこっと笑いながら口走る。
 むっとしたような表情をするリオ。

「仲間って言うのか? そこは、同類じゃないか?」
「リオさん、同族ではありませんか?」
「……どうせ私は、バカだ」

 しばらく武器屋や道具屋が立ち並ぶ通りを歩き続け、

「なかなか見つからないな。ここは、手分けして探した方がいいんじゃないか?」

 ティヴルが提案する。

「確かに、その通りだなー」
「そうですね」
「えへ、じゃあ、くじ引きで決めようよ?」

 アッシュが《魔法》の《くじ》をタッチする。
 
「じゃあ、みんな手を出してみて」

 アッシュに促され、全員が手を出す。
 すると、それぞれの手の上に丸い光が現れる。
 星乱、アリア、ティヴルが青。リオ、アッシュが赤だった。

「じゃあ、同じ色の人と一緒に行動するってことで」
「そうですか。便利なものですね」
「僕は、リオちゃんとだね。じゃ、行こっか」

 アッシュがそう言った、のだが。
 
「…………」

 リオは、星乱にしがみついている。
 ぎゅーとしっかり星乱の着物を握り締める。

「えーと、リオちゃん? 星乱くんとがいいの?」
「ち……違う……べ、べつにそんなんじゃ……」

 リオが顔を真っ赤にしながら否定。
 しかし、離れる気配はない。

「リオは、甘えん坊だなー」
「だから、違う! そうじゃなくて、その……」
「僕、星乱くんと変わろうか?」
「変わらなくていい! べつに、そんなんじゃない」

 リオは、ぱっと星乱から離れる。
 リオ以外、全員揃ってため息。




              ◆



 
「リオちゃん、本当に良かったの?」
「しつこいな。べつに、そんなんじゃないって言ってるだろ」

 アッシュの問いかけに対して、リオは無愛想に答える。
 
「まあ、さっさと探して……」

 言いかけた時、視線を感じた。
 振り向くと、一人の青年が立っている。
 紫色の髪に青い瞳、猫耳と尻尾を生やし、青色の袴に金の刺繍が施された羽織を羽織った青年だった。

「ふむ……、星乱はいないのかのぅ」
「……何の用だ?」

 怪訝そうに尋ねるリオに対し、青年は片手を高く掲げる。

「う……」
「アッシュ!?」

 突然、アッシュがその場に倒れる。
 リオは急いで駆け寄る。
 
「……魔法、か……?」
「さて、リオ殿。ワシが用があるのは、そなたと星乱だ」
「どういう……」
「話は後で良かろう?」
「……!」

 青年は、リオの口を塞ぐ。
 気を失ったリオを抱え上げると、口を開く。

「悪く思わんでくれ、リオ殿……。兄弟の再会には、少々おかしなやり方じゃが……」