複雑・ファジー小説
- Re: 泣き蟲せかいの登場人物R1200 ついに参照100突破!! ( No.19 )
- 日時: 2011/10/10 23:17
- 名前: 芽黒 ◆sSA6ZLKK6w (ID: l6K9Eb8k)
やけに寒い店内にやけに暑苦しい男が一人。
「ででん!!第一問!」
「あなたは何故そんなにびくびくしているのかなー?」
星太郎はやけに楽しそうだった。しかし周りの客はやけに迷惑そうだった。いきなり聞かれても・・・清太郎はただ単に困った。困り果てた。
「・・・なぜでしょうか」
自分がわからないときは相手に質問をそのまま返す。「なぜでしょうかじゃわかんねーだろぉぉ!?」星太郎が怒鳴るたびに清太郎は肩を震わせた。「だって・・・」そんなささいな言葉も星太郎は見逃さない。
「だって何」
すると余計に清太郎は混乱する。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、何考えてるかさえもわからなくなり、自分が誰なのかさえ・・・・・・。
「だって、その」
ぶつぶつ言う奴は嫌いだ!嫌いだ!大嫌いだ!地球で一番大嫌いだ!宇宙で一番嫌いだ!全部嫌いだ!
星太郎は心の中で叫ぶ。短気の中の短気な男。
「だーッ!もうさっさと言っちまえよ!何が怖いんだよテメェはよぉぉ!!」
そしてやっと俺は清太郎が泣いているのに気付いた。そして俺はいつの間にか立ち上がっていた。
だから、その、君が怖いんだって。
清太郎は心の中で泣き叫んだ。というかもう既に三次元でも泣いていた。
「自分がどう思われるかとか、・・・・・・・なんか、」
「・・・怖い・・・」
やっとの思いで胸の内を暴露する清太郎に対し、
「女みてぇ」
星太郎はコーヒーをがぽがぽ胃に入れながら言う。
「そんな事よりお前顔もいいしポジティブにでもやってけばい・・・」
一瞬。
一瞬の出来事だった。
ドスリと鈍った音とともに星太郎は倒れこんだ。星太郎は棚に直撃したため、棚から本がバラバラと落ちた音が次に聞こえた。
涙でぐしょぐしょの顔をした清太郎は星太郎を投げ飛ばしたのだ。その絵はあまりに美しく、見惚れてしまいそうな感じだった。店内は静まり返る。
「いってぇ————・・・、いってぇなぁ、俺背骨折っちゃったかもぉ・・・」
星太郎はむくりと体を起こした。その体からは殺意と不のオーラがぷんぷん漂っていて、見ているにも見ていられないような形相もしていた。
それに引き換え、清太郎はやけにニコニコしていた。
「なんならついでに頭蓋骨も折ってやろうか?このドアホの無神経。」
え?これはあの清太郎くんですか?せいたろう2号さんですか?話し方が違うじゃないですか?清太郎くんはもうちょっとオドオドしてて見てるこちらがイライラしてくるようなキャラのはず・・・。第三者は間違いなくこう言うだろう。いや、しかしこれは清太郎だ。まちがいなくせいたろう2号くんです。
・・・彼にはある秘密がございます。
彼は多重人格者なのでございます。
多重人格?何それ?ちょっとわかりやすく説明して頂戴。
・・・。ハイ。多重人格者とはですね・・・、明確に独立した性格、記憶、属性を持つ複数の人格が1人の人間に現れるという症状を持ちます。ほとんどが人格の移り変わりによって高度の記憶喪失を伴うため、診断が遅れたり、誤診されることが非常に多い疾患であり、精神科医療の分野でも正確な知識を持たない医師、臨床経験が無い医師が多く、精神科で受診しても治療不能となる場合も多々あるのが現状であるのです。
よくわからないわ。もういい。
そんな対話を聞いていてもよくわからないであろう。
藍田清太郎。17歳。彼は普段は人見知りで周りとあまり話さず、孤立している。しかし、彼は夜になると人格が変わる。夜になると鬼の形相で街を獣のようにうろうろする。また、他にイライラが最高潮に達するとドS、つまりはとんでもないサディストになる。それ以外にも、彼は多数の人格を持ち合わせている。それは、これからのお話により公開されることであろう・・・・・・・・・。