複雑・ファジー小説
- Re: 泣き蟲せかいの登場人物R1200 ( No.5 )
- 日時: 2011/09/21 22:07
- 名前: 芽黒 ◆sSA6ZLKK6w (ID: biELAV5.)
「・・・ごめん、今日って何日?」
正直、今日が何日かわからなかった。カレンダーにメモなんつ別にしないし、今となってはテレビもないし。でも今日が俺の誕生日って事は、今日は「1月24日」?普通1月って言ったら手にしもやけが出来る時期なのに。
「1月24日ですよ、優大くん。」
ああ、そうなの、そうなんだね。んじゃ俺もめでたく18歳・・・。こんにちは18歳の俺!!
でももうすぐ18歳の俺とはきっとお別れ。
だって、隕石衝突するんだろ?
でも、人なんていずれは死ぬんだもん、死ぬ事には変わりなし。死ぬときはどうせこの馬鹿が隣にいてくれるんだろうし。
もしかしたら、しないかも、なんて事も、あるだろうし。11%の確率で。ならその11%にかければいい。
「優大ー、ジュース桃とコーラ持ってきたけどどっちにする?」
ひかるが適当にコップにコーラを注ぐ。おい待て、俺なんも言ってねぇんだけど。まぁいいや。
「我ら4人の中で最年少の優大君に」
「かんぱーい!」
コーラが喉を通る音がなった。正直真夏の気温のせいでコーラは少し温くなっていて美味しくなかった。アイスも溶け出してきてる。
「それより、こんなのどこで手に入れたんだよお前ら?」
こんなの=温くなったコーラと溶け出したアイス。
「俺様の力をなめんなよ!俺の超能力さ!!」
「ああ、これうちの冷蔵庫に運よく入ってたから」
仁司の馬鹿発言はひかるの言葉により無視された。
「優大くんの好み・・・じゃないですけどね、このアイス・・・。」
薫が妙に申し訳なさそうに言うので嘘つくしかなかった。本当はこんな甘ったるいの全然、うん。好きじゃない、好きじゃないんだよ、こんなの。
「別に、いいよこれで。折角持ってきてくれたんだし。美味いし。」
俺の多分人生最後の嘘。これから残り少ない時間で嘘つくことはもうないと思うから。
「え!?、何だー、よかった〜・・・。最後の最後は美味しいの食べて死にたいですもんね!」
何だ、結局最後は死ぬにたどり着くんじゃないか。つーか全然美味くねぇし。
どろどろになった甘いアイスが指の間を通った。残ったアイスの棒を外に投げる。早速蟻が2,3匹アイスの棒につく。
「学校休校になってよかったな。」
「うん。」
「え、でもテストの結果まだ返ってきてないじゃないですか〜」
「いいんだよ、そんなの!俺には必要ねーっ!!」
「えー・・・」
「なんかスイカ食べたくなってきたー・・・スイカァァ・・・」
「そういや小学校のときさぁ、江間奈々っていたじゃん。覚えてる?」
「ああ———!!それ僕の片思いしてた・・・」
「奈々って優大のこと好きだったんでしょ?」
「は?何それ初耳なんだけど」
「だって優大くん鈍感すぎますもん、」
ベラベラ緊張感のかけらもない話をしてた。結構時間が経つのが早く感じたのは俺だけ?地球に隕石が衝突するってのに、いいの?こんなに緊張感なくて??って、質問したいくらい。なんて答えが返ってくるんだろうね。
・・・ん・・・。
一瞬だけ眩しさで前が見えなくなった。錯覚かな・・・錯覚か。
それと、一瞬だけ体が妙に熱くなって。
暑さで俺もとうとう終わりだったり・・・。
「なあ、・・・あれって・・・・・・・・・・」
空を眺めていたはずの仁司が震えた声を上げた。
仁司が指差す方向を揃って見つめた。
「え、あれって・・・・いん・・・せ」
なんか、落ちて・・・
落ちて・・・・・・・・・・・・・・
それはなんのまぎれもない100%の「あれ」だった。
そう、隕石。
ヤバイ、ヤバイ
いざとなったら何も出来ない。そう、出来ない。人間だもの、出来ないんだよ。
焦り焦り焦り焦り焦り焦り焦り焦り 怖い怖い怖い恐怖やばいやばいやばい怖い怖い焦りあせり焦り焦り やばいって、これはやばいよヤバイ。ああああヤバイ怖い隕石衝突?嘘だ嘘だ嘘だ嘘だそんなんあったら困るんだよバーカバカバカバーカ 死ね!誰でもいいから死ねよ!死ね死ね死ね死ね!! 怖い怖い恐怖怖い怖い恐怖恐怖やだやだやだやだ 駄々こねてもいいくらいにやだ 助けて死にたくない 死にたくない死にたくない死にたくない 神様やめて助けて怖い恐怖恐怖恐怖怖い焦り焦りあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
やだ、俺まだ————・・・・。
巨大な爆発音。が。した。
でも。「彼等」。いや。人類。に。それ。は。
もう聞こえていない。聞こえない。
え?だっていなくなっちゃったんだから、一瞬にして。
・・・いや一瞬までとはいわないけれど10秒の間に。
「隕石は本当に衝突したんですか?」
YES!!
そのとおり。隕石は衝突しました。
自然現象?そうですよね、誰もがそう考えますよね。
でも、違うんです。そう、違うんです。