複雑・ファジー小説
- Re: ■菌糸の教室■ 【オリキャラ・出演募集中】 ( No.11 )
- 日時: 2011/09/14 22:34
- 名前: ryuka ◆wtjNtxaTX2 (ID: gb3QXpQ1)
「うわっ、空気やば。換気、換気ー」 峰が、そんなことを言いながら窓に手を伸ばした。
窓を開けるのを手伝おうと思い、窓のロックを外そうとしたが、それがなかなか外れない。どうやら何かがロックの間に詰まっているようだった。確か、前にも埃が詰まって開かなかったことがあったな。
「うん?」
よく見ると、窓がはまっている冊子の隙間に、何か白いワタのようなものがぎっちりと詰まっている。………なんだろ、カビかな?まさかね。
それでも頑張って力任せに窓を開けると、キキキキーと何かが擦れる嫌な音がして、やっとのことで全て開いた。手のひらを見ると、少し、血が滲んでいた。
やっと開いた…… と、謎の達成感に浸かっていると、外から気持ちのいい風がスッと入ってきた。ゆっくりと、淀んだ教室の隅々まで流れるように、風は滑らかに入ってくる。
その風に乗って、一枚、桜の花びら。
薄桃色の花びらは、ひらひらと円を描きながら、誰かの机の上に着地した。
中庭の桜は、もうすっかり散ってしまっていた。まだ少し花は残っていたが、緑色の葉の方がずっと目立ってきている。もうすぐに、春も終わって、じめじめとした梅雨がやってくるだろう。
しばらくぼーっと桜の木を眺めていると、後ろで、教室の扉がガラガラと開く音がした。
「おーい、授業始めるぞー、座れ座れぇー」
急いで自席に着くと、さっそく授業が始まった。一番後ろの席なので、クラス全員の様子が見渡せる。
そこに一つ、窓際で、誰も座っていない席がある。その席は入学した時からずっと、誰も座っていない。
確か、そこは女の子の席だったと思う。春休み中に自転車で事故に遭ったらしく、どこの部位だったか忘れたが複雑剥離骨折をして、手術の果てに今もなお、入院しているらしい。
…………さっきの花びらは、その席に降りていた。
