複雑・ファジー小説
- Re: ■菌糸の教室■ ( No.24 )
- 日時: 2011/10/20 14:59
- 名前: ryuka ◆wtjNtxaTX2 (ID: 4pf2GfZs)
>>葵様
Me too!です(笑)
持続力って自分が今一番欲しいものだったりです。
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■第三話 笠■
「……ん 」
目が覚めた。いつも見慣れた自分の部屋。外は曇っているらしく、目に見える色は全て灰色だ。視覚のソレとは対照的に、周りでは吐き気がするくらいに派手な香水が臭っているようだった。
朦朧とした意識のまま、重い体を起こすと机の上に何やら走り書きが置いてあった。
〝ミネくん、おじゃましますたー 笑"
……さて、これはなんだったっけ。寝起きだからか、昨晩の記憶が全くない。
ふと、変な臭いのする部屋を改めてぐるりと見回す。
荒らされていた。タンスの引き出しは全て出されていて、机の上にあったはずのノートパソコンが消えている。なんでだかよく分からないがタバコの吸い殻がパソコンの代わりに机の上に散乱している。
ぐしゃり。
足元から、何かを踏んだ音がした。踏んづけたのはピンク色の小さな箱で、“秒速デカ目☆つけま”とか書いてあった。……つけまつげ?
「あ、」思い出した。昨晩、変な男女が数人で来たんだった。確か兄の知り合いだとか言っていた。当の兄は現在行方を眩ませているが。
だけどそれ以上ははっきりと思い出せない。不確かなイメージが頭の中で現れては消え、また現れては消えるが、なかなかうまく思い出せない。……頭が痛い。
それから、水を飲もうと思って蛇口を捻ると腕が変に痛かった。あんまりにも痛いもんだから袖を捲って腕を見てみると、肘より3㎝くらい上のところが青黒く腫れて、痣になっていた。触ってみると痛かった。
なんだか怖かった。目眩がした。
それでも何とか乾いた喉に水を流し込み、顔を洗う。自分の顔を鏡で見てみると、真っ白だった。元から色白な方だったが本当に蒼白になっていた。更にうっすらと、目の下には黒いクマが透けている。
「はぁ………」またか。また、やられた。
重い体を引きずって、布団へと戻る。手を伸ばして携帯を掴み、楓にメールした。
風邪。今日学校 いけない、 と。