複雑・ファジー小説
- Re: 魔界の魔王ども ( No.1 )
- 日時: 2011/09/12 08:30
- 名前: 御神西鬼 (ID: C.IWX95H)
魔界…
人間によって「地獄」とも称されるその世界は幾万もの「悪魔」が巣食う世界だ
その幾万もの「悪魔」をまとめ「魔王」と崇められる強大な「悪魔」がいた
* * * * *
「なぁサタン」
「なんだ ルシファー」
ここは魔界
悪魔とそれを統べる魔王の世界
そんな魔王の中でも最高位にいる二人の王
サタンとルシファー
「俺とお前、どっちが強いと思う?」
「どうした 急に」
いきなりの疑問にサタンはルシファーを見つめた
ルシファーは特に強い興味があるわけではなく手元の雑誌から視線を外していない
「特に理由はないがふと気になってな」
「そういや そんなこと考えたことなかったな」
初めて真面目に考える疑問にしばらくサタンは頭を捻ったが結論に辿りついたらしく言った
「やっぱ俺様だろう」
「なぜそう思う」
「だって俺は悪魔の長だぜ」
「だが中世の民話ではお前を俺の部下とするものもあるんだぞ」
「それは自分が最強だとでもいいたいのか?」
「当たり前だ」
「そんな当たり前に言うなよ!」
サタンはルシファーに向かって怒鳴った
「この俺ほど強く美しい存在がこの世にほかにいるか?」
「なんか寧ろいさぎいいわ 流石は傲慢の王」
サタンは思わずため息をついた
ちなみに「傲慢の王」というのは七つの大罪のうち「傲慢」に対応する魔王、ルシファーのための名だ
七つの大罪と言うのは罪というよりは罪を犯してしまう原因となる七つの感情や欲望を指す
「やはり俺は最強だな」
「あぁそうだな」
ルシファーのこの態度にサタンはもう慣れ切っているのでまともに取り合わないことにした
「ただ単に自慢したかっただけじねぇか」
サタンはため息をついた
「そういえば今日はベリアルを見ていないな」
「アイスが切れたから買いにいったぜ」
「あいつは本当にアイスが好きだな」
「そうだな あれは異常だ」
ふとルシファーは思い出したようにベリアルの名を出した
ベリアルとはルシファーとサタンそしてレヴィアタンを合わせて四人の上位君主と呼ばれる最高位の魔王の一人だ
けど何故か極度のアイス中毒なのだ
「そういやあいつこの前アイス専用の冷蔵庫買ってたよな」
「あぁ、特注で」
その特注の冷蔵庫とは普通の冷蔵庫の約5倍のサイズで恐ろしく冷えるのだ
この前なんかサタンは危うく氷付けになるところだった
「寒いといえばまたレヴィアタンは真冬の海に飛び込んだんだって?」
「あぁ、確か海は私の叔父さんだーー!!とか言ってたな」
「なんか中途半端すぎねぇ?母か父ぐらいじゃねぇの?」
「その理由は私自身が説明しよう!!」
二人が話しに夢中になっている間に上から何かが降ってきた
その何かは見事に空中で三回転ほどしてスタッと地面に着地した
ちなみに後、1センチでも動いていればサタンにぶつかるところだった
サタンはしばらく硬直していたがなんとか状況を理解すると落ちてきたソレに向かって怒鳴りつけた
「どっから沸いて出てんだよ!!!」
「見て分からなかったか?上からだ!!」
さも当たり前のようにレヴィアタンは登場した
ここでレヴィアタンについて簡単に説明しよう
泳ぐのがうまい
はい、以上ー
「まずだな 海とは荒れ狂ったり、時には穏やかなものだ それすなわち時には叱り、時にはあやす叔父さんのようだ」
「いや、どっちかてーと母じゃね?」
思うわずツッコミをサタンは入れた
そのツッコミに反応してレヴィアタンはずずいとサタンに近づいた
「甘いな、サタン いつも身近にいる母よりたまにしか会えない叔父さんという存在にこそありがたみを感じるものだ つまりたまにしかいけない海にこそありがたみを感じるのと同じではないか」
「あー分かったから離れてくれ 俺、もうすぐこける」
レヴィアタンはサタンが背骨を限界まで曲げなければいけないほどに接近していた
気合で耐えていたサタンにはもうそろそろ限界だった
「お前がこっちに来るなんて珍しいな」
一部始終を傍観していたルシファーはレヴィアタンに話しかけた
「少し海が寒くなってきたからな こちらは暖かいし」
「寧ろ暑いぐらいだぞ?」
「いや、焼け死ぬレベルだぞ 魔界の暑さは」
レヴィアタンは普段は海に住んでいる
そして冬になるとたまに魔界にやってくる
冬の海にタイブするようなレヴィアタンだが実は寒さに弱い
それなのに何故冬の海に飛び込むかというとアレだ
馬鹿だからだ
ここで補足だが魔界の平均気温は地球の平均気温の約3倍だ
皆さん考えてほしい
最近の猛暑の約三倍が魔界の真夏の暑さだ
確実に死ぬだろうな、作者は
「あぁ、やはり魔界は落ち着くなぁ 丁度いい暑さだ」
「お前は異常だよ」
レヴィアタンは寒さには弱いが暑さには強い
今だってサタンは半そでなのにレヴィアタンはまるで雪山を登山でもするかのような服装だ
「お前見てるだけで体感温度が五度は上がる」
「それは良かったな!」
「よかねーよ」
サタンは汗にまみれながらツッコンだ
今、サタンはツッコミをしているがこう見えても魔王なのだ
そこのところ忘れないであげてほしい
もし魔王というキャラすら忘れられたらサタンはただのツッコミキャラになってしまう
「なんか俺老けそうだ」
「そうだぞ、あんまり叫ぶのはいけない」
「誰のせいだと思ってるんだ」
サタンはこの魔王たちと付き合っていくのには限界があると悟った