複雑・ファジー小説
- Re: 魔界の魔王ども ( No.4 )
- 日時: 2011/09/12 10:58
- 名前: 御神西鬼 (ID: C.IWX95H)
「なんで僕がアスタロトを起こしにいかなくちゃいけないの?」
「仕方ないですよ サタンさまの命令ですし」
「上下社会って理不尽だよね〜」
「あんまり言うとまたルシファーさまに雷落とされますよ」
「あぁ、あれは本当に落とすとは思えなかった」
アスタロトの屋敷に向かって二人の魔王は歩いていた
一人はパイモン
女性のような顔つきの悪魔だ
ルシファーに対して強い忠誠心を持っている
ちなみに八人の下位王子の一人
後、金切り声を上げるためパイモンと出会ったら耳を塞いだほうが身のためだろう
もう一人はアリトン
こいつについては特にない
うん、ない
「なんか上の説明文に多少の殺意を覚えるんだけど」
「仕方ないですよ だって個性ないんですから」
「パイモン、案外ダイレクトに言うなぁ」
さて二人の紹介も終わったところでどうしてこの二人がアスタロトの館を目指しているかを説明しよう
それは少し、前の話に遡る
「知ってるか サタン」
「何を」
アイスを齧りながらベリアルはサタンに声をかけた
「天使たちがもしかしたら何か企んでるかもしんないって」
「え?マジで?」
「マジマジ」
当然のことだが悪魔は天使が嫌いである
それと同時に天使も悪魔を倒そうと頑張っているのである
「そっか、最近道理で俺がツッコミをやってたわけだ あれは天使たちの呪いだったのか…」
「そんな下らない呪い、天使はかけないと思うよ」
「じゃあ何!?神が呪いをかけてるのか!?」
「もっとありえないよ」
サタンはツッコミキャラを気に入ってないらしい
「まぁ、話を戻して、僕の配下の一人がミカエルが不穏な動きをしてるところを見たんだって」
「ミカエルか… 厄介だな」
「だねー あいつ、マイブーム悪魔を踏むことだからね」
「どこのSだよ」
「もはやどっちが悪魔か分からないね」
ミカエルは戦う天使でよく悪魔を踏みつけている
よくそれで天使をやれるものだ
「こっちも偵察をだすか… けど下手には動けないな」
「逆に警戒されても困るしね」
「じゃあどうするんだ?」
「やっぱりアイツに頼むしかないでしょう」
「まさか、アイツに!?」
にやりと嫌な笑みをベリアルは浮かべた
サタンは逆に嫌そうな顔をしている
「あいつの千里眼使えば一発でしょ」
「でも誰が起こしにいくんだ?俺は嫌だぜ アイツ寝起き悪いもん」
「じゃあそこら辺の悪魔に頼めばいいじゃん」
当たり前のようにベリアルは言うとたまたま近くにいたパイモンとアリトンを見つけたのだ
「んじゃ、よろしく!」
というわけでアスタロトを起こすために二人は旅立ったのだ
「アスタロトさまってたしか怠惰の王だよな」
「そうです アスタロトさまが動けば槍が降るっていう伝説ができるぐらい動かないひとですね」
「やべぇ、どうしよ 槍よけ切れるかな」
「心配はそこですか」
半ばアリトンの馬鹿さ加減に呆れながら目的地を目指す
ここで怠惰という感情の説明をさせてもらいます
怠惰とは簡単に言うと動かないこと
仕事も勉強もしないこと
例えるならば現代のニートみたいなもんです
つまり怠惰の王であるアスタロトも全く動かないのだ
「あ、見えてきました」
「やっぱりデケェな」
目の前に現れたのは大きな屋敷
しかし、余り掃除が行き届いていないのか薄汚れている
少しここに人が住んでいるのかという不安に駆られるが二人は扉を押した