複雑・ファジー小説
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- 日時: 2011/09/14 07:50
- 名前: コーダ (ID: MZtdagnx)
色々な種類の花が咲いている花畑。
いかにも、メルヘンな雰囲気を漂わせていた。
バラ、水仙、チューリップ、優曇華(うどんげ)の花——————東洋、西洋、伝説の花が全て咲いていた。
それをお世話していたのは、身長100cmも満たない子供たちだった。
なぜか、その子供の背中には蝶みたいな羽がついていた。
人それぞれ、色の違う羽。それはとても綺麗だった。
右手にじょうろを持って、飛びながら花に水をあげる。
その中に、ひときわ目立つ女性が居た。
身長は140cmくらいで、優雅に子供たちを見ていた。
二の腕までかかるくらいの金色と茶色が混ざった髪の毛、前髪はとても目にかかっていた。
瞳は安らぎを導かせる緑色で、とても安心出来そうな雰囲気を漂わせる。
子供たちと同じで、背中にはアレクサンドラトリバネアゲハを連想させる蝶の羽を持っていた。
青緑色のドレスみたいなもの着用して、右胸には蝶のブローチもつけていた。
「まぁ、今日も綺麗なお花です……」
女性は、近くにあったピンク色のチューリップを見てゆっくり呟く。
すると、水やりをしていた子供たちは一斉に女性の傍へやってきた。
「ふふっ、こうやって皆が毎日、大切にお花のお世話をしてくれて、わたくし嬉しいです」
この言葉に、子供たちはにっこりとほほ笑む。
「フェアリーフラワーも、もうじき咲きますしね」
女性の言葉からは、謎の単語が出てきた。
フェアリーフラワー。
妖精が居る世界にしか咲かない花で、それはタンポポの花をピンク色にしたような花である。
そう、この女性は妖精だったのだ。
よくおとぎの国のお話で出てくる物だが、ここはそのおとぎの国そのものだったのだ。
「さぁ、一緒に水やりしましょうね」
子供たちは大きく頷き、女性と一緒に水やりを行う。
とても豊かな時間だった——————
呟き >>12