複雑・ファジー小説

2ページ ( No.26 )
日時: 2011/09/18 21:53
名前: コーダ (ID: qwv/zAi4)

 シェークスピアなどで有名な妖精。フェアリーがたくさん居る世界。
 とてもメルヘンで、おとぎの国を連想させる場所。

「あらあら、このお花は枯れていますね……」

 辺り一面お花畑の場所。そこで1人の女性フェアリーが言葉を呟く。
 目の前には、枯れた花。
 すると、女性はその花を触り、

「でも、種がある限り大丈夫ですね」

 種を取る。そして、枯れた花を丁寧に抜いてそこへ1つの種をまく。

「また、ここで綺麗なお花を咲かせましょうね」

 とても美しい微笑みを浮かべながら、女性は余った種を持ち別の場所へ、背中の蝶みたいな羽を動かしながら向かう。
 フェアリーは基本的に、花が大好きで観賞用として育てる者が多い。
 なので、このように大きな花畑が多くある。
 当然この世界はおとぎの国そのものに近いので、様々な花の種を売っている。
 だが、いくらなんでも気候の問題で育たない花はいくら頑張っても育たない。

「そういえば、あのお花はどうなっているのでしょうか?」

 女性は何かを思い出したような言葉を呟き、少々急ぎめに羽を動かす。

「あら、もうそろそろ咲きそうですね」

 嬉しそうに微笑む女性。
 そこにはもうすぐ蕾(つぼみ)を開きそうな花があった。

「ふふっ……」

 思わず口に手を当てて、嬉しさを言葉で表す女性。
 その姿は、本当に花を愛する者にしかできないものだった。

「さて、そろそろ戻りましょうか」

 花の様子を見終わった女性は、そう言ってこの場を後にする。

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