複雑・ファジー小説
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- 日時: 2011/09/22 21:06
- 名前: コーダ (ID: NH1RGN1H)
天国の中心にある洋館——————内部。
たくさんの上級天使と最上級天使が会話しながら歩いていた。
——————下級天使と中級天使の姿はなかった。
実はこの洋館、階級によっては入れたり入れなかったりする。
基本的に下級と中級は許可が下りないと入れないが、上級と最上級は顔パスで入れる。
ここまで厳重にする理由は簡単に説明できる——————天国を動かす権力があるからだ。
下級と中級は国民。上級と最上級は天界議員。そう説明すれば分かりは良いだろう。
とある部屋。天界議員たちがかなり真剣な顔つきで立っていた——————
「集めた情報を収集してみようか」
1人の男性天界議員。上級天使がとても真剣そうな口調で傍に居る2人の天界議員に言葉を飛ばす。
「へいへい……」
「分かりました」
1人はとても面倒くさそうに、1人は真剣に右手に持っていたメモ帳を机の上に出す。
「……所で、1人居ないようだが?」
眉を動かし、男性天界議員が1人欠席していることに気がつく。
傍に居たもう1人の男性天界議員は、
「あ〜?別に良いだろぉ?とっとと終わらせちまおうぜ」
心配する所か、放っておく発言。かなり酷い言葉だが、輪を乱す者を放っておくのも一理ある。
「はぁ……また、どこかで道草を食っているのか……」
一方、女性天界議員は深い溜息をして自嘲(じちょう)したような表情を浮かべる。
「能力は優秀でも、職務が怠慢(たいまん)では勤まらないのだが……」
「それを採用したのは誰でしょうか?」
女性天界議員の言葉に、口を閉じる男性天界議員。
「だらしねぇな、おい」
「……その件は私が責任を持つ。しかし、それとこれは関係ない」
「しっかりしてるのか、してないのかわかんねぇな」
面倒くさそうな天界議員は、やれやれといった表情で言葉を呟く。
しばらく、この場に沈黙が流れる——————
「居ない者はしょうがない。早く話を進めましょう」
女性天界議員がそう呟いた瞬間——————後ろの扉が勢いよく開く。
「す、すみませんでしたぁ〜!」
息を切らして入ってくる女性。
3人は、深い溜息をしてその女性を見つめる——————
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