複雑・ファジー小説

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日時: 2011/09/15 19:34
名前: コーダ (ID: wDvOBbcg)

 とても和やかで、争いなどがない町。
 白いペンキで塗装された家、赤いペンキで塗装された家など、やけに鮮やかな家が並ぶ。
 コンクリートで覆われた道路には何台かのディーゼル車が走っていた。

 そして、この町の1番のシンボル——————大きな教会が人々を優しく見守る。
 毎日教会へ行き、祈る老若男女(ろうにゃくなんにょ)。
 その団体を、優しく見つめる1人の少女が居た。

「神の御加護を……」

 両手を握り、静かに祈る少女。
 肩までかかるくらいの茶髪の髪は、とても艶やかで美しく、前髪は目にかかっている。
 タレ目の瞳は紫色に輝かせて、聖職者のシスターを連想させる服装。
 首には金色の十字架のアクセサリーをつけていて、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。

「今日も、グルクス教会にたくさんの人々がお祈りに来てくれました……」

 少女は嬉しそうに言葉を呟く。
 その表情は、どこか安らぎと癒しを与えてくれる。

 グルクス教会。
 イーエの町の中心部にあるとても大きな教会である。
 たくさんのシスターがそこで働いており、いわゆる宗教団体に近い存在。
 彼女も、その団体の1人だった。

「そうだ。今日は、あれを食べようかな」

 首につけている金色の十字架を鳴らし、少女はどこかへ行く。
 その表情は、どこか楽しげだった。

 呟き >>12