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複雑・ファジー小説
- 1ページ ( No.8 )
- 日時: 2011/09/15 19:36
- 名前: コーダ (ID: wDvOBbcg)
薄暗い広間。
白い壁が辺りを覆い尽くし、床は血のように赤い絨毯(じゅうたん)をしいていた。
床の上には、白いシートを贅沢にかけた長い机と赤いソファが至る所にある。
窓と思われる場所には、血のように赤いカーテン。天井のシャンデリアも不気味に赤く照らす。
そんな広間に、10人くらいの人影があった。
しかし、普通の人とは違いなぜか背中には悪魔のような翼と、尻尾がある。
おまけに、口を開けるたびに鋭い牙が見えて非常に恐ろしかった。
赤いソファに座って、ワイングラスを揺らし何かを飲む悪魔のような人。
その中に、ひときわ目立つ女性が居た。
「……今日の血も、なかなか美味いな」
右手にワイングラスを持って、中の液体をゆっくり揺らし1口飲む。
肩までかかるくらい長い血のように赤い髪の毛は、目にかかっていなかった。
頭には、血のように赤いリボンが2つ結ばれており少し可愛げがある。
赤いドレスのような物を着用して、なぜか背中には赤いマントと悪魔のように黒い翼が生えている。
黒い尻尾が動くたびに、赤いマントも若干動く。よく見ると、マントには謎のエンブレムが描かれていた。
腰には、とても殺傷力のありそうな東洋の武器、刀をつけていた。
そして、1番印象に残るのは口を開けるたびに鋭い牙が見えることだった。
「直で吸血するのも良いが、独特な加工で作られた血もなかなか……」
そう呟き、またワイングラスの中に入っている赤い液体を飲む。
吸血。
そう、この女性は西洋の悪魔。ドラキュラだった。
血を生きる糧(かて)にして、残虐な行為をする者。
「……いや、加工された物はくどい。やはり、直で吸った方が良い」
尻尾を動かして、先程の言葉を撤回する女性。
すると、その場から立ち上がりどこかへ足を進める。
呟き >>12
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