複雑・ファジー小説

5ページ ( No.82 )
日時: 2011/10/06 21:23
名前: コーダ (ID: ZEuRnT3o)

「アーテン、なんか飲み物くれぇ」

 喫茶店の椅子に座って偉そうに飲み物を頼むスフェーン。
 アーテンは深い溜息をして、適当に飲み物を作る。

「えっと……スフェーンはどうして追われている……の?」

 シスタはスフェーンと対面するように椅子に座り、どうして追われているかを尋ねる。

「だから、俺はもてるから追われているんだって」

 スフェーンは口元を上げて、シスタに言葉を飛ばす。
 これには、むっとした表情を浮かべる少女。

「正直に言って欲しいんだけど……」

 シスタはどこか清らかな雰囲気を出しながら言葉を呟く。
 スフェーンは眉を動かして、苦虫を噛んだかのような表情をする。

「……あんまり、大人の世界に首突っ込まない方が良いぞ?シスターなら、なおさらな」

 シスタの目を見ないで、どこか遠くを見つめるスフェーン。
 少女は頭に疑問符を浮かべる。

「はい、適当って言ったから本当に適当に持ってきたわよ?」

 アーテンは銀のおぼんから2つのティーカップを机の上に置く。
 スフェーンの傍には、ブラックのコーヒーと砂糖が入った小さな袋。
 シスタの傍には紅茶が置かれる。

「ありゃ、ブラック?」
「適当にって言ったのはどこの誰かしら?」

 アーテンの言葉にスフェーンは眉間にしわを寄せる。
 一方、シスタは鮭とばを美味しそうに食べながら、紅茶を飲んでいた。

「……」
「……」

 この光景に、2人は口を開けながら唖然とする。

「美味しい……あっ、食べます?」
「いや、俺はいいや」

 さすがにミスマッチすぎて、スフェーンは思わず断る。

「……美味しいのに」

 シスタは辺りに聞こえないように、一言呟く。

「ヒヒヒ……お嬢ちゃん、それ1本俺にくれるかぁ?」

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