複雑・ファジー小説
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- 日時: 2011/10/01 20:22
- 名前: コーダ (ID: jvWBucyN)
「30分の遅刻だな」
女性天界議員は、遅れてきた女性へ冷たく言葉を飛ばす。
「ふえぇ……すみません……」
何度も頭を下げる女性。
どうやら、この女性も天界議員のようだった。
「これで、遅刻した総回数が364日かぁ……後1回で、祝1年じゃねぇか!」
男性天界議員は大声で笑いながら、言葉を飛ばす。
「そういう所だけは、記憶力が良いな……」
もう1人の男性天界議員は呆れた表情をする。
「とりあえず、全員集まりましたし……会議でもしましょう」
女性天界議員がそう言った瞬間、4人は机の上に置いてあるメモ帳を見つめる。
「これは……想像以上か……」
真面目そうな男性天界議員はメモ帳を見つめながら、深刻そうに呟く。
肩まで長い金髪で、前髪は目にかかっていない。
瞳は青色に輝いており、背中には白い翼と頭の上には天使を象徴とするわっかが浮いている。
そして、腰に鋭いレイピアを装備している——————アーク=レイエル。
「ちっ……面倒なことになってきやがったぜ……」
ぶっきらぼうな男性天界議員は、なぜか手に持っていたサイコロを机の上に転がしながら言葉を飛ばす。
耳にかからないくらい短い金髪で、当然前髪は目にかかっていない。
瞳の色、背中の白い翼、頭の上のわっかは4人共通である。
そして、サイコロやカードを手に持つ不思議な男——————ラファ=トリエル。
「まさか、こんなに人の魂が天国へ無断侵入していたとは……」
仏頂面が印象的な女性天界議員は、眉を動かして言葉を呟く。
腰まで長い金髪の髪の毛で、前髪は少し目にかかっている。
右手には少しファンシーな弓を持っている——————フィム=クラエル。
「これぇ、危ないんですよねぇ〜?」
陽気な口調が印象的な女性遅刻常習犯天界議員。
二の腕まで長い金髪、前髪はとても目にかかっている。
とても可愛らしい杖を持っている——————ルタス=フリエル。
「なぜ、こんなに人の魂が……」
「さぁな……まぁ、地獄のミスか悪戯しかありえねぇけど……」
トリエルはトランプの山札から、ジョーカーを引きそれをレイエルに見せながら言葉を呟く。
人の魂を管理するのは三途の川。
そこから天国か地獄に行けるかが決まる。
当然、魂は天国と地獄で監視しないとすぐに脱走する恐れがある。いや、脱走は地獄でしか起こらない。
脱走した人の魂が向かう場所、天国。
だが、その姿を天使や悪魔に見つかれば一生どちらの世界にも行けない——————つまり、無の世界。
例外で、天使か悪魔が悪戯で人の魂を逃がすこともある。もちろん、これは許されざる行為である。
「職務怠慢か悪戯……どちらにせよ、迷惑だ」
クラエルは少々ドスのきいた声で、言葉を飛ばす。
「クラエルちゃ〜ん……怖いぃ」
フリエルは翼をピクピク動かしながら、怯えていた。
「……しばらく、地獄の様子を見よう。以上、会議はこれで終了する」
これからのことを簡潔に述べ、会議をお開きにするレイエル。
先まで話しあいがあった部屋は、途端に静かになる——————