複雑・ファジー小説
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- 日時: 2011/10/02 00:25
- 名前: コーダ ◆ZLWwICzw7g (ID: jvWBucyN)
森の中を変な雑談をしながら歩く3人。
しばらくすると、3人の目には小さな木の小屋が目に入る。
意外と綺麗な作りで、何度もここで人がすごしているような雰囲気を漂わせる。
窓から中を覗くと、大量の本が置いていた。
「あらぁ?も・し・か・し・て……ここで2人は夜をすごしているのぉ〜?」
サキュバスはどこか期待している目をして、2人へ言葉を言う。
「まぁな!へへっ、夜は楽しいぜぇ〜!」
ウルスは笑いながら、サキュバスに言う。
ロズは苦笑して、先程の言葉を訂正する。
「ウルス、後1人居るでしょ?」
「あぁ、そうだったなぁ〜……」
右手で頭をかきながら、どこか嫌そうに言葉を呟くウルス。
すると、夢魔(むま)は黒い尻尾をウネウネ動かし、
「さ、3人……す、すごいわねぇ」
なぜか驚く。
どうしてこのような反応をしたのかは、あえて触れないでおく2人だった。
「もう戻ってきているとかっていうオチじぇねぇよなぁ……?」
「一応、ウルスだけ入ってみたら?」
「……分かった」
了承したが、ウルスの表情はとても嫌そうだった。
そして、生物学者は1人で木の小屋へ入る。
「どうして、1人で入るのぉ〜?」
なぜ、3人で入らないのか疑問に思うサキュバス。
ロズは困りつつ笑いながら、
「ちょっときつ〜い、先輩が居てね……」
「後1人は、きつ〜いのぉ?」
きついという単語に、妙に反応するサキュバス。
ロズは深い溜息をして、待機する。
——————耳に意識を集中させると、木の小屋から微かに声が聞こえてくる。
だが、それは声というよりも叫び声と言った方が良かった。
「……ウルスは、何をやっているのでしょうか」
再度、深い溜息をするロズ。
サキュバスはのんびり辺りを見回していたので、彼の行動に疑問符を思い浮かべる。
——————すると、木の小屋の扉が勢いよく開く。
「よく来たな、歓迎する。私は地層科学者のストレイト=ハルだ。さぁ、とっとと入れ」
腕組をして、とてもはきはきとした言葉を飛ばす女性——————ハル。
黒い髪の毛は二の腕まで長く、前髪にはかかっていない。
とても鋭い目つきが特徴で、その瞳は真っ赤に輝いている。
科学者を連想させる白い作業服を着用して、女性なのにちゃんとネクタイもしている。
そして、服の上からでも分かる豊満な胸が最大の特徴である。
「あはは……ハルさんは、相変わらずだね……」
ロズは苦笑して、ハルへ言葉を飛ばす。
「あらぁ〜……後1人って、女性ぃ?ちょっと、期待して損したわぁ〜」
サキュバスは尻尾と頭の翼を落として、残念そうに言葉を言う。
すると、ハルの目がピクリと動く。
「男性ばかりだと思うな。女性の科学者だって居る」
かなりきつい口調で、サキュバスに言う。
「あぁ〜ん!このき・つ・さ……癖になりそう……」
身体を震わせながら、呟く夢魔。
ロズはもう何をして良いのか分からず、頭を下げる。
「とりあえず、早く中に入れ」
ハルはそう呟き、木の小屋へ入る。
「とにかく、中へ入りましょう」
「ええ、そうねぇ〜」
ロズとサキュバスは、ハルに続いて木の小屋へ入る。
3人の科学者と1匹の淫魔(いんま)。とても、ミスマッチな組み合わせだった——————