複雑・ファジー小説

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日時: 2011/09/15 19:37
名前: コーダ (ID: wDvOBbcg)

 足場は雲のように白くて薄く、足で立っていられるのか疑問に思うほどだった。
 そこは空の上にあるような場所で、とても不思議な場所。
しかし、ここに居る人たちはそんなことを気にせず生活していた。

 背中についている白い翼で飛んでいたからだ——————
 その翼から白い羽毛が落ちる。当然雲のような足場には落ちずそのままどこかへ落ちていった。

「異常なし……っと」

 空の上で、1人の女性が片手に紙みたいな物を持って辺りを見まわす。
 腰まで長い金髪の髪の毛は、1本1本が繊細(せんさい)でとても綺麗だった。
 前髪は少し目にかかっており、瞳は青色に輝いている。
 背中に白くて大きな翼をつけており、頭の上には丸いわっかのような物が浮いていた。
 右手には少しファンシーな弓を持っていて、どこか武器とは思えなかった。

「上級天使になって、もう5年……この偵察任務にようやく慣れてきた」

 そう、彼女は天使だったのだ。
 地上より上、つまり天国ですごしている人たち。
 天使にも階級があり、下級、中級、上級、最上級の大まかに4つある。
 当然、階級が上がれば重大な任務を任される。

「天国より少し降りた場所……そこは、人たちの魂がさまよう……」

 眉間にしわを寄せて、天使の女性は天国へ帰ろうとする——————

「………………」

 何か気配を感じたのか、翼を止める天使。
 すると、右手の弓を構えて、

「天国へ無断侵入。排除する」

 矢を放つ。すると、何かがここから消えた。

 ——————人の魂だ。
 本来地獄へ行く予定の魂が脱走して、天国へ逃げ込むのを防ぐ。
 そう、彼女はそういう不届きな魂を見張る仕事をしている。

「よし」

 やってやったと言わんばかりの表情を浮かべる。
 そして、大きな翼を羽ばたかせ、天国へ帰る天使の女性。

 呟き >>12