複雑・ファジー小説

Re: 赤が世界を染める、その時は。 ( No.21 )
日時: 2012/05/10 21:01
名前: 揶揄菟唖 (ID: yZ7ICI8F)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?526461


12・赤、都会を見る。2


いつの間にか、レッドライアーではなくライアーと呼んでいた。
もちろん心の中でだけだが。

まぁ、いいや。
私の中で何かが変わったわけではない。
ただ一緒に行動するのだから、そのくらいの呼び方が一番だろう。

列車の中にあるふかふかのベッドの中で、私はブタ牛のことを……いやいやライアーのことを考えていた。

私の名前を教えたには教えたが、それから雪羽と呼ばれていない。
どっちでもいいけど『お前』とかよりは雪羽のほうが良いんだけどなぁ。

うだうだ考えていてもしょうがない、と思いベッドから身体を起こす。
ふかふかでいいんだけど、どうにもなれなくて寝付けない。
気晴らしに横の窓を開けて、外の景色を見ようと、身を乗り出したときだ。

遠くに、星の下に見えたのだ。

今、私たちが向かっている町が!

「すげぇ! でかい!」

真夜中だけどしっかりと見えるその大きな姿に、私の心は舞い上がった。

あぁ、早く着かないかな。


〜つづく〜


十二話目は文字数オーバーをかなり繰り返したのでこんな形になってしまいました。
でも投稿できてよかったです。


次⇒赤、都会を歩く。