複雑・ファジー小説
- Re: 赤。【題名を変更するかもです】 ( No.4 )
- 日時: 2012/05/09 20:43
- 名前: 揶揄菟唖 (ID: LQdao1mG)
4・赤、黒を追う。
返そう。
結論、返す。
そんな凄いハンターだとは思わなかった。
そりゃあハラダ・ファン・ゴの武器を持っているのだからお金持ちなのだろうとは思っていたけど。
レッドライアー。
赤いうそつき。
こんな二つ名がつけられるくらいなのだ。
私のような新米にはついていないが強くてお金持ちで有名なハンターには世界の人たちが勝手につけられるもの。
そんな凄い人に貰ったものだからぶっちゃけると宝物にしてとっておきたいけど、私なんかが持っていちゃいけない。
あの人は捨てるって言っていたけどそれでもダメだ。
私が売るのとあの人が捨てるのだったらあの人が捨てるほうがこの武器も本望だろう。
武器と喋れるわけじゃない。
けど、なんとなく。
自分の価値観的に。
よし。
そうと決まれば明日も森に行こう。
運よくあの人に会えると良いけど。
明日のことを計画しながら私は安宿のベッドの中で瞼を下ろした。
+ + + +
朝になって今私は髪をとかしている。
共同の洗面台だけど今は朝早いし、誰も使おうとしていないからゆっくりと作業することができる。
鏡の横の窓から赤く色づいた葉っぱが風に乗って入ってきた。
綺麗だなー。
この町は今秋だ。
私は秋が一番好きだ。
なんてったって赤が多い。
赤というわけではないけど暖色系も多いのでなんかテンションが上がる。
櫛を棚に戻して部屋に戻る。
寝る用のジャージから活動する用のジャージに着替えて、ナイフホルダーを腰に巻く。
さてと。
行くか。
+ + + +
外はまだ少し暗かった。
広場の掲示板の前で私は唸っていた。
掲示板とはこの町の住人が勝手にハンターにやって欲しいことを掲示するというものだ。
簡単なものから町のお偉いさんが直々に書き込んだ難しいものもある。
さてと。
どうするか。
できるだけ早く済むものがいい。
あぁ、でも時間がかかっても良いか。
あぁーでも昨日みたいなことがあると怖いし二人で行くヤツにするかな。
でも二人でいったら相手の人に迷惑がかかるかもしれないし。
私の本当の目的はあの人を探すことだし。
というかあの人はまだこの町にいるのだろうか。
今日見つからなかったら諦めようか。
頭の中はコレのループだ。
こんなことしていたら一日が過ぎてしまう。
仕方ないからドワーフ退治を2人でするものにした。
もう一人目は決まっているらしい。
相手ももう一人を待っているから急いで掲示板の近くの小屋で手続きを済ませた。
待ち合わせ場所まで走る。
待ち合わせの場所に近づくにつれて、嫌な肉が腐った臭いが香ってきた。
臭い。
待ち合わせ場所はそう。
昨日私がギガントとで遭って、あの人ともで会った場所。
そして、ギガントの死体の側にしゃがんでいた今回の相棒と目があった。
「「…………」」
相棒は赤い目でただ私を見つめていた。
〜つづく〜
四話目です。
今回は短いかな。
話ははたしてすすんでいるのかわかんないですね。
next⇒赤、黒と歩く。