複雑・ファジー小説
- Re: 赤が世界を染める、その時は。参照200で目玉抉れた ( No.54 )
- 日時: 2012/05/11 20:45
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 1HHiytFf)
30・赤の恩返し。2
正直この小娘がわって入ってきたときは不快感だけだったけれど、話してみると面白い。
まさか、この女に連れぇ?
意外も意外。
超ビックリだ。
この女は人に頼ることを嫌う。
俺も同じようなところがある。
とまぁ、こんなことは前話したような気がするから省略。
俺はめんどくさいことが嫌いなんだ。
それで、話を戻すとこの小娘、小動物みたいだ。
俺を恐れている。
怖いんだな、俺が。
確かに俺は絡み辛いところもあるだろう。
というか絡み辛いところしか無い。
そんな俺を満足させられるのは、この世界に数えられるくらいしかいないかもな。
それは淋しいことじゃない。
理解者が少ないなんて、嘆くことじゃない。
だから俺は大丈夫なんだ。
何て話がずれたから戻す。
あぁ、きりがねぇな。
俺はお喋りだから関係ないことばっかり話してしまう。
意識を集中しよう。
この小娘は何でか全身赤で固めている。
赤が好きなのか? 異常者め。
腰に差しているのは頼りない小型ナイフ。
背中にあるのは立派な武器だけれど、それは使い物にならないだろう。
それは俺が用心棒をやっているこの会社の武器だから。
こんな奇妙な女、どんな行動とるかわからない。
読めない。
単純でバカそうだ。
でも、何なんだ。
この、嫌な感じ?
わからない。
何なんだ。
とにかく、嫌な感じがするのだ。
ふぅ、と息をつく。
まぁ、いいか。
見たところ、腕はたちそうにない。
俺にかかれば1発だ。
でも何となく気に入ってしまった。
何処を?
何か、面白そうな感じがするところ。
それ以外に理由はなさそうだ。
だけど、仕方無い。
これ以上面倒事になるのはごめんだから、この小娘はここで消しておきたい。
もったいないなぁ。
もしかしたら、俺のお気に入りになることができるかもしれないのによ。
「そろそろ、どいてくれませんかねぇ?」
まだゆっくりとした口調で話す。
俺はかっこいい紳士だからね。
今の俺の服装はだらしないけれど、それを気にしている時間がもったいない。
「嫌です! ダメです!」
全然怖くねぇ。
吃驚するほど可愛らしい威嚇に、俺は思わず笑っちまいそうになる。
だけどそれを堪えようと
「じゃあ容赦しねぇよ」
した。
したはずなんだ。
俺はかっこいい紳士のはずなんだ。
でも違くなっちまった。
どうして。
おかしい。
そんなのは決まっている。
この女、何か面白い。
何か、どこかが、俺に合っている。
俺の好きなタイプだ。
カンコ。キティー。そしてこの女。
俺のタイプに統一性はないな。
ただ、俺が気に入るかどうか。それが問題なんだ。
だが、カンコは大切にしたい。
キティーは嫌がっている姿を、悔しがっている姿を見たい。
この女は怯えている姿を見たい、かも。
この扱いのさは、なんなんだろう。
ほんとに、自分のことのはずなのに、全くわからない。
何なんだ?
俺。変だな。
いつものことだ。
俺、変。
変態?
違う。
紳士。
そう。
俺は、紳士。
「貴方、一体なんなんですか!?」
俺の態度の豹変振りに驚いていた小娘が、まだ突っかかってくる。
おもしれぇ。
「俺? 俺は、かっこいい紳士、ジャルド!」
〜つづく〜
三十話目です。
いやぁ、ついに三十話ですか。
長く続いていますね。
うん。
私はもう新しい話書きたいのですが。
新キャラ出したい。
でもキャラ多いですもんね。
なんでだろう。
なんか、多い。
内容薄いくせに。