複雑・ファジー小説
- Re: 赤が世界を(略)参照300で内臓が口から出てきた。 ( No.58 )
- 日時: 2012/05/12 21:12
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: WylDIAQ4)
34・赤の考え。2
「あんたの連れが?」
驚いた。
コイツには『本当』の連れが居たらしい。
しかもソイツは今なんか強い奴と戦っているらしく、その間を通らなくてはいけないみたいだ。
めんどくさい。なんだそれ。
しかもいきなり襲ってきた、人間かどうかも怪しいやつってなんだ。
訳が分からない。
でも仕事を失敗するわけにはいけないから、歩みを少し早める。
「だ、ダメですよっ! 本当に強いんです! 危険ですよ!」
「そう」
「そうって……!」
素直だったバカも、段々と力を篭めるようになって来た。
歩き辛い。
実は感じている。
確かに強い奴と強い奴がぶつかっている。
わけは分かっていないようだが、バカの足も震えている。
あたしもちょっと怖い。
本当に行くのか?
殺されるきしかしない。
どうすれば。
あたしが仕事を捨てる?
ジャルドを追い払うことができているのに?
プライドが許さない。
「行くよ」
あたしの口の中は酷く乾いていた。
+ + + +
息切れが酷く、疲労で目の焦点が合わなくなってきている。
コイツは相当強かった。
危ない。隙を見せたらやられる。
同じくらい動いているというのに、アスラの息は全く切れていない。
本当にコイツは人間か?
信じられない。
認めない。
人間じゃない。
感じるんだ。
『人間じゃないニオイ』を。
「そろそろ終わりか?」
「っせ……っ」
うるせぇ。
喧嘩を売ったつもりだった。
でも思ったように言葉にならない。
吐き出されるのはただの息だけだ。
汗が顎を伝って床に落ちる。
だが、気がかりなのは、アスラが時々おっさんを気に掛けていることだ。
何のために?
コイツに人間と同じ感情があるとは信じがたい。
でも、心配している?
その隙をつけないだろうか。
上手いこと逃げ出そう。
真剣に戦っていたらこっちの体力がなくなる。
立っているだけで精一杯だ。
もう攻撃を避けることはできないだろう。
変なプライドは捨てろ。
あの赤女は……もうきっと逃げ出しただろ。
だからお願いだ。
俺の方へ歩いてくる2人のうちの1人は赤女じゃないといってくれ。
〜つづく〜
三十四話目です。
今回は久しぶりにレッドライアーさんが登場しましたよ!
本当に久しぶりですね。
短めですねー。