複雑・ファジー小説
- Re: 赤が世界を(略)色々募集してます(´・ω・`) ( No.73 )
- 日時: 2012/05/14 17:10
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: JSuMRn8G)
13・捜索。
とりあえず、少し横になってみて、しばらくしてから気がついた。
コレはまずい。赤女。赤女はどこに行ったんだ。
アイツはバカだ。バカでどうしようもない。
何か事件に巻き込まれたら?
いや、逃げるかもしれない。まだ近くにいるのかもしれない。
そう思ってもう一度ベッドの中で息をついた。
でも、いつまで経っても心の中のもやもやは消えず、少ししたら帰ってくるかもしれない、という希望も叶わなかった。
今、アイツはどうしているんだ。
夜は寒い。なのにまだアイツはあのジャージ。
風邪でもひいたら。
誰かに、襲われたら。
何が起こるか分からないんだ。
ここの連中は何をしでかすかわからない。
情がない。常識がない。遠慮がない。人間性がない。
夜ふらふらしている女なんかアイツ等の餌だ。
俺のせいか? 分からない。俺のせいでアイツは逃げた? 俺? なんかした? あれ、なんだろ。分からない。何だよ。分けわかんない。頭が痛い。息が苦しい。変だ。何だよ。どうすればよかったんだよ。どうしたらいいんだよ。どこ行ったんだよ。ふざけんな。アイツの我が儘だろ。俺のせいじゃ、俺のせいじゃない。だって、俺。何にも。あいつに、何にもしてないし。何にもしてないのが悪い? どうして、俺が。そこまでしなくちゃいけないんだよ。俺アイツの飼い主じゃねぇし。アイツのしたいようにすればいいじゃんか。アイツの勝手だし。俺のせいじゃ、俺の。
「しっかりしなさいよ」
凛とした声ではっとする。
俺らしくなかった。また。俺最近やっぱり変だ。
何が変で、何が原因かわからない。
でも、なんか昔と違う。いつの昔だろ。
「それで探してたってわけね?」
金髪女、いや、ミーニャはあきれたように息を吐きながら立ち上がる。
なんかコイツ、お人よしだ。
俺は頷きながらその姿を見つめる。
黒いぴったりとした服を着ていたときとは違う雰囲気で、コレはコレで綺麗だった。
まぁ、仕事の時と私服を分けるような女らしいところがあったほうが良い。
個人的な意見だ。
だから赤女にもジャージ以外の服を勧めたい。
赤女。赤女。
「…………」
思い返して再び俯く。
息は大分落ち着いてきたが、身体が重い。
やはり、まだ完治はしていなかったのだ。
変に興奮して動き回ったから少し疲れた。
「なにしてんのよ、探すんでしょ?」
ミーニャは俺の頭を軽く小突くと、コートを引っ張って俺を立ち上がらせた。
そして優しく微笑んだ。
やはりコイツは美人だと痛感する。
大人っぽい、妖艶な笑みだった。
「理由は聞かないから。頑張るわよ」
身体が少し軽くなった気がした。
〜つづく〜
十三話です。
とりあえず続ききまったので更新しますね。
とかおもいつつライアー&ミーニャのほうを更新。
本当は雪羽ちゃんのほうも入れる予定だったのですが文字数制限爆発しろみたいになりそうだったので区切りよく短いですがコレで。