複雑・ファジー小説
- Re: 赤が世界を(略)参照400だから好きなもの晒す ( No.78 )
- 日時: 2012/05/14 17:30
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: JSuMRn8G)
17・休憩。
パンケーキをフォークで契って口に運ぶと、蜂蜜と美味しい。
蜂蜜と美味しい、なんて変な言い方だな。
私は料理に詳しくないから、良く分からないけれどとにかく美味しくてステキだ。
大体の女の子は甘い物が好きだから。私も好きだ。辛い物は苦手ではないけれど、まぁ、甘いほうが好きだ。
今、3人で来ているのはお姉さん行きつけだというカフェ。
凄くおしゃれで、お姉さんの雰囲気に良く合っている。
お姉さんは仕事柄、あまり顔を覚えられたくないらしいので1つの店にはあまり行かないようにしているらしいが、ここには良く来てしまうのだという。
納得する。
だって、さっきからコーヒーカップを拭いているおっちゃんはダンディーだし、とても居心地が良い。
コーヒーも美味しいらしく、ライアーは文句なしにコーヒーを啜っていた。
最初は警戒しているような素振りを見せていたが、今は大人しい。
「で? 仲直りはすんだの?」
お姉さんは、前よりも雰囲気がやわらかくなっている。
でも前のツンとしたお姉さんも、今の私たちになれてきたようなお姉さんもどっちも美人だ。
そんなのは当たり前のはずだけれど、人にはそれぞれその人に合っている雰囲気があるような気がする。
それは馴れにもよる。
だって最初からツンツンしていたライアーが、突然ベタベタしていたが気味が悪い。
通り越してキモチワルイ。
でもお姉さんは違う。
お姉さんがベタベタしていても可愛らしいから許せる。
お姉さんは頬杖をついて、綺麗な金髪を右耳にそっとかけた。
見とれてしまいそうになる。
「はい。お姉さんのお陰で。ありがとうございました」
私は右手のフォークを置き、深々と頭を下げる。
本当に、ライアーが部屋に居なかった時はどうしようかと思った。
でもお姉さんがついていてくれたお陰で、ライアーも無事だった。
私よりもライアーが、危なっかしいということはありえないけれど、やっぱり私も心配だった。
私から引き起こした面倒事なのに。
面倒事。やはり。やはり私はまたライアーに迷惑を。
目頭が熱くなったのを感じて俯いた。前に居るライアーに心配をかけないように。
「あ、あたしは何もしてないわよ」
隣のお姉さんはそう恥ずかしそうに言って、窓の外に顔を向けてしまう。
もう大分時間が経った。
もう夜だ。真夜中。それでもこの店はやっている。
外は凄く暗い。
「……いや、助かった。感謝してる。俺1人じゃ見つけられなかったと思う」
ライアーもお姉さんに感謝しているようで、だいぶ時が和やかに流れていた。
お姉さんは頬を染めて唇を尖らせる。
子供っぽくて凄く可愛い。癒しだ。
そのお姉さんが、自分のコーヒーカップの取っ手を指でなぞった。
「で、さ。これから2人はどうするの?」
〜つづく〜
十七話目ですね。
こんにちは。
最近こまめに更新しているのは三章を書くのが楽しみだからです。
友人のキャラをだします。
キャラが多いですね。
ちなみにアスラを作った友人と同一人物です。