複雑・ファジー小説

Re: 黒ウサギ×銀色蝶々 ( No.7 )
日時: 2011/10/22 02:13
名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)

この世界、『ガーデン・テュリカ』————。

 
 こことは別世界である『ガーデン・シャングリラ』の意思と恩恵の元、
 豊かな緑と鉱山資源のおかげで、科学と魔法の文明が発展した世界。

 しかし、『ガーデン・テュリカ』は危機に瀕しつつあった。
 人の生活と科学と魔法の発展のために人間の都合よく発掘され続けた資源は、枯渇の一途をたどっていた。
 更に、人々が暮らしやすくするためにと、続けられた新耕地開拓のための森林伐採、自然破壊。
 そしてこれらの資源、緑を生み出し、環境を整えているのが、意思ある世界『ガーデン・シャングリラ』
 とあるものは、「我々人類が資源を多く消費しすぎ、自然破壊を急速に進めているから、『シャングリラ』の調整が遅れている」という者もいれば、
 とあるものは「『シャングリラ』が『テュリカ』と人類を見離したから恩恵を受けられなくなった」という者もいた。

 しかし、危機を何とかしようという計画が国から発表された。
 その名も『シャングリラ無限エネルギー計画』
 その名の通り、その世界が持つ意思ごと手に入れ、資源の枯渇、自然破壊にも恐れることは無く、文明の発展を目指し永久に幸せな世界を作ろうという計画。

 しかし、「我々は『シャングリラ』と共存関係にあったのだから、それを維持し続けようではないか」という団体が出てきたのだ。
 団体は、ギルド『深淵の希望アビスソラス
 『深淵の希望』の主張は、みんなで手を取り合って助け合い、資源や森林が戻るのを待ち、今までのように穏やかに暮らそう。というものだった。
 裏を返せば『シャングリラ』はただの別世界ではなく意思のある世界なのだ。
 そのような強行手段にでれば、恩恵を受けることができなくなるのではないか。
 そのころ、不安になっている住民の代表として立ったのが大きな依頼から小さな依頼まで何でも受け、住民の信頼がとても高かった『深淵の希望』だったとも言える。


 
 それ以来、『シャングリラ無限エネルギー計画実行委員会』と『深淵の希望』の衝突が度々起きるようになった。

 
 
 

 そして、この世界には、崇拝され『シャングリラ』の力を得ることができるとされた者たちがいた。

 それは————『蝶』とだけ呼ばれる者たち。
 『蝶』は美しく、力を解けば背中からは美麗な蝶の羽が生えるされ、繁栄の象徴でもあるとされている。

 何故、『蝶』は『シャングリラ』の力を得ることができるか。
 それは、『蝶』達がそこの生まれで、『シャングリラの魔力』を持っているからとされていて、『蝶』と交わった家、通称『蝶家ちょうけ』は不思議と繁栄し続けている。


 一時期、『蝶』から『シャングリラの魔力』を取り出せないかと会議が行われたが結局、繁栄の象徴だからそんなことをしたら縁起が悪いし住民の批判の声も上がる。
 結果的にその計画は消えてしまった。




               
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本当は続きを書きたかったのですが、夜遅くなってしまいましたので、
明日続きを書こうと思います。