複雑・ファジー小説

Re: 時雨の刀【コメント欲しい!!】 ( No.33 )
日時: 2012/03/12 17:10
名前: Sky  ◆M7x9jXIufw (ID: qTh1yy9a)

【第一部】 名を無くした少女と新選組 
  『四話』夢の中で


ふわり、ふわりと何かが時雨の頭に積もって行く。その中時雨は首を傾げた。
(Where is here??)(ココは何処?)
見た事がある景色、今時雨が居る日本では考えられない程に洋風な建物が建ち並んでいた。その中に時雨の中でひと際目立つ一件の家を見つけた。
「Is this my house……?」(私の家?)
時雨が辺りを見回すと、辺りは白一色。その中に時雨の名を呼ぶ女の人がいる。
「Diana!!」
その女人は柔らかな微笑みをしているのが分かるが、時雨はまったくもって顔が見えなかった。
その女の人の所へ向かうと、突然黒い闇の中へ体が呑まれて行った。呑まれても呑まれても、ただ堕ちて行くだけの底なし沼。

「Help me! !」(私を助けて!)

そして底なし沼へ呑まれた体に纏わり付くのは、男共の腕沢山の無数の男達が自分の体へと触れて行く。背筋に寒気を感じた時雨だが、男共の手は時雨の頭までも覆って行く。
誰も見えない、何も聞こえない。ただ男共のムサい感覚だけが時雨の体を這って行く。

「stop!」(ヤメて!)

時雨は今までに無かった心の感情を爆発させて行く。人間じゃなくて物だった時雨が、まともな人間だった頃…時雨は覚えてない筈の家の夢を見た。